★【質疑応答】日本代表監督として意気込むハリルホジッチ監督「大きなことを成し遂げたい」

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▽日本代表の新監督に就任したヴァイッド・ハリルホジッチ監督が19日、3月27日に行われるキリンチャレンジカップ2015のチュニジア代表戦と、同31日に行われるJALチャレンジカップ2015のウズベキスタン代表戦に臨む日本代表メンバー31名、バックアップメンバー12名を発表した。

▽初陣を迎えるハリルホジッチ監督は日本代表における自身のビジョンを熱弁。

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▽日本代表の新監督に就任したヴァイッド・ハリルホジッチ監督が19日、3月27日に行われるキリンチャレンジカップ2015のチュニジア代表戦と、同31日に行われるJALチャレンジカップ2015のウズベキスタン代表戦に臨む日本代表メンバー31名、バックアップメンバー12名を発表した。

▽初陣を迎えるハリルホジッチ監督は日本代表における自身のビジョンを熱弁。今回のメンバー選考の意図や、自身が作り上げたいチーム像、さらにはJリーグの印象や気になった選手についても言及した。メンバー発表記者会見の質疑応答は以下の通り。

【質疑応答】
――世代交代が1つのテーマとなるが、五輪代表から新しい選手を入れていく考えはあるか
「日本代表に呼ぶのは、その時点でベストなパフォーマンスを披露している選手になる。五輪(代表)にそのレベルの選手がいれば問題なく呼ぶだろう。まだ呼んでいないのは、そこまでの知識を持ち合わせていないから。ただ、手倉森監督から良い選手がいるという話は聞いている。これから五輪代表を注意深く見ていきたいと思う。もし、彼らの中からA代表に入ってくる選手がいれば、問題なく受け入れるつもりだ」

――今回、30人以上が選ばれたが、今後も同じ規模で選び続けていくつもりか
「次の6月に向けた合宿には20人、GKも3、4人。もちろん多くの選手を呼びたい。ケガがあればその代わりも必要になってくる。ただ、6月はワールドカップの予選があるので、しっかりと準備して選手を呼ぶつもりだ。日本代表は全員に開かれていて、その時点のベストを選びたい。例えば、得点王をとっている大久保も必要なら呼ぶし、そのほかの選手にも可能性はある」

――今回、選ぶために重視したポイントは?
「日本代表の選手を選ぶということは、人間性、プレーレベルといった基準が高いことを意味する。国民の代表であり、それは誇らしいことだ。昨日、試合(ナビスコカップ 川崎Fvs名古屋)を見て、どのスタッフからも教えてもらっていないある選手が目についた。もちろん、今すぐというわけではなく、将来性のある選手だと思った。この代表に入ることはできなかったが、次の代表に向けて注意深く見ていきたい。彼が素晴らしい態度、良いプレーを続けるようなら、代表に呼びたいと思う」

「日本代表には、皆さんが知っているメッシや(クリスチアーノ・)ロナウド、イブラヒモビッチのような個を持った選手はいない。もちろん、可能性を持った選手はいるが、我々の特徴はコレクティブだと思っている。それはチームであり、グループということ。そこに重点を置いた練習になるだろう。そして、私がこれから受け持つSAMURAI BLUEは、高いレベルに到達すると思う。今後も色々なところに足を運び、もっともっと良いグループを作っていきたい」

「そして、ピッチ上では、我々のアイデンティティを見つけていきたい。そのためにも色々なメッセージを送り、多くのトレーニングをこなさなければいけない。これまで色々な情報を得てきたが、私は自身の目標について楽観的に考えている。ただ、時間が少し必要。日本代表に関しても、その代表が残す結果についても、どんどん向上させていきたい」

――現在のシステムは何を考えているか
「毎試合、準備する。例えば、世界で最も強いチームと対戦するかもしれないし、世界で最も弱いチームと対するかもしれない。そのすべてに勝つために準備する。負けるための準備はしない。そうであれば、私はこの仕事を辞める。もちろん、本当に強いチームに勝つのは難しいが、不可能ではない。そういった強いチームと対戦したときにも、勝ちにいくんだということを植え付けたい。少なくともトライしようと言いたい。そして、残念だと思うようなことはしたくない」

――永井の選出理由と、遠藤は状態が良くても呼ばないのか
「皆さんに見せたリストには若い選手が多い。例えば、ものすごく大事な試合で遠藤が必要なら呼ぶかもしれない。もちろん、遠藤には多くの経験があり、チームメイトからの信頼が厚いことも知っているし、彼は自分の役割も理解している。ただ、今回はより若い選手を呼んだ。遠藤に関してはこれから様子を見ていきたい」

「昨日の夜、永井を直接見た。スピードに関しては本当に素晴らしいものがある。現代のフットボールに必要なクオリティを持っていると感じた。そして、今の代表に足りない背後へのスピードを彼がもたらせると思っている。彼がプレーすることでスピードも上がり、裏を狙う状況も出てくるだろう。(DFの)背後にボールを要求することによって、得点の可能性も増えると思う。もちろん成長の余地はまだまだあるが、興味深く面白い選手だと思う。彼としっかり話をして、多くのトレーニングを積みたい」

――キャプテンは? そのキャプテンに期待することは?
「キャプテンはすごく大事であり、バックアップメンバーも大事。まずグループと話をして、いくつかの提案をしたい。キャプテンにはものすごく大事な役割がある。最初の時期は特に大事だ。何試合かを私と一緒に過ごして、誰が相応しいかを判断したい。キャプテンは1つの模範だ。良い行動、良いトレーニングをしてもらわないといけいない。仲間との団結心もないといけない。ピッチ内外では、グループが困難なときに、それを助けられる選手が必要。グループの中には何人かのキャプテン、リーダーが必要だと思っている。そういった選手たちがグループを成功に導くことを楽しみにしている。そういった部分を気にしながら合宿を見ていきたい」

「私たちには大きなプロジェクトがあり、向上していく必要がある。そして、私の期待とトレーニングを彼らがどう受け止めるかを見てみたい。すべてがうまくいくと思っている。良いメンタリティと良いグループがあると確信しているので、勝利にこだわるグループにしたいし、グループで何かを成し遂げたいと思っている。それが私が期待するグループだ」

――バックアップメンバーの意図は?
「バックアップメンバーを発表したのは、グループが大きいということのメッセージ。国内外の選手に可能性がある。もちろん、海外の選手には4、5日前に招集レターを送る必要がある。バーゼルの柿谷も呼べるように準備している。それから、このリストにいない選手もいるが、それは準備をしておいてくれというメッセージ。みなさんの前で発表した選手には、モチベーション、準備、そして競争がはじまるということを意識してもらいたい。最初に言ったが、良いプレーをしていれば呼ぶ。スター選手に変わる選手にも期待しているし、そこが変わっても問題はない。一番はグループで勝つことだ」

――中盤の異なるオーガナイズの意味と、国内の試合を見て得た印象
「中盤のオーガナイズについては、異なるものを準備している。それは試合に関するプランニングだ。システムを見せることもできるが、私にとって最も大事なのは各選手の役割。中盤では異なるオーガナイズがある。攻撃的な中盤にするのか、守備的なものにするのかということ。皆さんは、この2試合で目にすると思う。何人かの選手に異なるオーガナイズをプレーしてもらうつもりだ。このグループの中で私のやり方を知ってもらいたい。私は、各システム、各オーガナイズで勝つための準備をしている」

「勝つためにはある程度のオートマティズムとメンタリティが必要。そのためには少しの時間が必要となる。その時間で練習とディスカッションを重ねたい。試合前には、各選手が自身の攻守における役割を理解しているようにしておきたい。ボールを持っていないときは全員で守備をし、ボールを持てば全員が関わって前にいく準備をする。我々は映像を使ってしっかりと準備をする。攻撃のことなのか、守備のことなのかを伝えたい」

「たくさんのことをやらないとチームはうまく機能しない。何度かワールドカップに出ているが、攻守において向上できる部分がいくつかある。それを説明するには、色々なことを準備しなければいけない。フランスでも、ここでも、映像をたくさん見てきた。日本のポジティブな部分も、ネガティブな部分も把握しているので、これを向上させていきたい」

「メンタル面も準備していく。この点に関しても変えていく必要があると思っている。それらを準備するためには、選手たちと話し合い、しっかりとした練習をしていく必要がある。それを通じて知識が深まり、良い準備ができると思う。今回の合宿に関しても色々準備している。それはピッチ内のことだけでなく、ピッチ外の部分に関しても。個人的に何人か選手と話をしたいと思っている。特に海外から移動してくる選手とはよく話したい。彼らは常に試合に出ているわけではないので、勇気づける必要もあるし、日本代表としてもしっかりとプレーしてほしいと思っている。私の頭の中には、この1週間の中で何をすべきかというのが準備できている。グループに関しても同じように働きかけていきたい。この2試合に勝って良い準備にしたい。

――2試合のやり方について
「いくつかのオーガナイズを準備している。AチームとBチームは準備していない。1試合目にプレーする選手と2試合目にプレーする選手がいる。AチームとBチームではないし、色々なアイディアがある。それからケガ人に関しても準備する必要がある。酒井高徳も軽いケガを負っている。彼がプレーできるのかも見ていく必要がある。できるだけ多くの選手を使っていきたい。もちろん、メンタル面でもプレー面でも、まだオートマテイズムはないと思う。ただ、各選手には、その中で自身の100%を出してくれと要求する。とにかく勝ちに対する意欲が大事であり、それを全員に強く要求していく」

――チーム内の規律について
「新しく色々なことを要求していきたい。まず、合宿外のことかもしれないが、代表監督のためのオフィスがないので、大仁会長や霜田技術委員長に要求している(笑)。色々な仕事をするためのミーティングルームはあるが、色々なスタッフのための部屋であり、色々なスタッフがそこで話し合っている。グランド外でもたくさんの準備をしなければいけない。たとえば、今回のリストを作ってくれたスタッフは、寝ずに準備をしてくれた。その他にもスタッフが色々なことをやってくれている」

「先ほどの質問に答えると、各個人にそれぞれの役割があって、それを要求していく。そして仕事に対する責任感を持ってもらいたい。日本の皆さんは、本当に仕事が丁寧で規律があると思っている。協会の中で多くの方が寝ずに仕事しているのを見てきた。それは衝撃だった。ただ、そういったことをリスペクトしながら色々な人と関わっていきたい。私が期待しているのは、ディティールにこだわって仕事をすること。私と仕事をしてくれる人たちは優しく協力的で、問題を感じない。ここに呼んでもらったことを誇りに思っている。その感謝をあらためて申し上げたい。日本代表で何か大きなことを成し遂げたいと思っているし、目的に到達できると確信している」

2015年3月19日(木)19:35

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