★【日本サッカー見聞録】五輪代表の18人を予想

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▽リオ五輪のOA(オーバーエイジ)枠の3人目に、興梠の招集が明らかになった。これでOA枠の3人は藤春と塩谷に決定。

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▽リオ五輪のOA(オーバーエイジ)枠の3人目に、興梠の招集が明らかになった。これでOA枠の3人は藤春と塩谷に決定。そして来週の29日には最後のテストマッチとなるU-23南アフリカ戦が控えている。その試合の招集メンバー21日が今週初めに発表された。

▽GKは鹿島の櫛引と柏の中村。櫛引は鹿島では出場機会に恵まれていないものの、リオ五輪の代表はこの2人で決まりだろう。問題は残りのフィールドプレーヤーだ。DF7人、MF8人、FW4人が招集され、手倉森監督は「これまで活動にずっと参加している選手、アジア最終予選からケガで離脱した選手、そして改めてもう1回手元に置いて見てみたい選手」を呼んだと明言した。

▽この言葉から推測すると、DF陣で「ずっと参加している選手」はCBの植田、MF陣なら遠藤、大島、原川、矢島、FW陣は浅野、オナイウ阿道ということになる。そして「ケガで離脱した選手は」はDF陣の松原、室屋、亀川、MF陣は豊川、FW陣は鈴木、中島だろう。ここで改めてOA枠の人選を考えると、左SBの藤春はレギュラーとして、その控えに亀川がどこまで負傷から復帰できたのかが南ア戦でのテストとなる。右SBは同じく負傷からの復帰組として松原と室屋の争いで、ここにOA枠の塩谷もいるため、どちらか1人がリオ行きの切符をつかむことになる。そしてCBは植田の相棒に三浦か中谷ということになる。きわめて分かりやすい競争の図式だ。

▽難しいのがMF陣と言える。6人が登録されると想定し、ボランチ候補の遠藤、今回はDF登録ながら複数のポジションができる橋本、同じくポリバレントな背番号10を任された矢島、「ずっと参加」してケガもない原川と大島、そして海外組の南野を入れると、伊東、野津田、豊川、井手口の入る枠はない。唯一の可能性として、試合を落ち着かせる大島の代わりに野津田のような攻撃的な選手をチョイスするかどうかが南ア戦の見どころになるのかもしれない。

▽最後にFW陣だが、興梠と久保の招集が可能なら、残る枠は2つしかない。とはいえ浅野は当確なため、残り1枠をケガから癒えた鈴木と中島、さらには今回招集されていない富樫の3人で争うことになる。フィジカルに長けた鈴木、スキルフルな中島、オールラウンダーな富樫と三人三様の長所がある。さらにオナイウはトゥーロンで活躍した。

▽手倉森ジャパンは4-4-2か4-2-3-1を基本システムにしている。もしも興梠をFW陣の核に据えるなら、彼はシャドーストライカーでもあるため、一番のベストチョイスはポストプレーもできる久保になる。そして浅野はジョーカーという位置付けとして欠かせない。となると、残る1枠は……誰を選んでもおかしくないという結論になってしまう。

▽もしも4-2-3-1を採用するなら、トップ下に中島というFW登録ながらMFとしても使える選択肢もある。今回招集されたフィールドプレーヤーは19人。リオ五輪の登録枠はフィールドプレーヤー16人のため(GK2人と想定して)、3人に加えOA枠の3人の計6人が篩に掛けられる狭き門でもある。こうして原稿を書いていると、なんとなくバックアップに回る選手が見えてきたような気もするが、ケガなども含めて予断は禁物だ。とりあえずは29日の南ア戦を待ちたい。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。

2016年6月23日(木)16:10

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