★【日本サッカー見聞録】Jリーグはパフォーム社と放映権で破格の契約を締結

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▽Jリーグは7月20日、2017年から10年間に及ぶ放映権を英国のパフォーム社と締結したと発表した。放映権の総額は2100億円で、無料視聴の地上波テレビとBS放送を除く、国内の有料放送が対象となる。

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▽Jリーグは7月20日、2017年から10年間に及ぶ放映権を英国のパフォーム社と締結したと発表した。放映権の総額は2100億円で、無料視聴の地上波テレビとBS放送を除く、国内の有料放送が対象となる。パフォーム社はインターネットを使い、スポーツ映像やデータといったデジタルコンテンツを世界的に展開している大手企業で、新たなスポーツ生中継サービスとして「DAZN(ダ・ゾーン)」を日本で開始することを6月に発表していた。

▽それにしても突然の発表だった。前日19日には第7回のJリーグ理事会があり、村井チェアマンは1時間前倒しで始めた3時間に及ぶ会議は放映権の議論がメインだったと明かした。しかし具体的な内容については「事務手続きは契約事項なのでケアしないといけない。事務方の整理をしてから発表の日時を決めるので、今日はお話しできません。ただ、来シーズンのことなので時間はかけたくない。迅速に進めたいと思います」と話していた。それが一転、翌日の午前に会見なのだから驚かされた。

▽かねてから噂のあったパフォーム社だが、これまでJリーグは、スカパー! とNHKの2社と2012年から2016年までの5年契約を結んでいて、スカパー! は年間推定40億円、NHKは年間推定10億円と言われていた。2017年からの新規契約にはパフォーム社と、スペインリーグやイングランド・プレミアリーグの放送権を獲得したソフトバンクもJリーグに興味を示していたものの、金額面で上回ったパフォーム社が権利を獲得した。

▽今回の契約ではNTTも技術提供やインフラ整備の形で参画し、J1、J2、J3、CS(チャンピオンシップ)、J1昇格プレーオフ、J2・J3入替戦の全試合をライブで配信し、スタジアムに行けないファンはもちろん、スタジアムで観戦しているファンにもスマホやタブレットで視聴できるようにするのが目玉だ。そのため全国のスタジアムのwi-fi環境の整備が急務となる。

▽では、スマホやタブレットでJリーグの試合をファンがライブ観戦できるメリットはどこにあるのか疑問に思う読者もいることだろう。この続きは次週で紹介したい。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。


2016年7月21日(木)13:15

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