▽国内唯一のデイリーサッカーニュースであるJ SPORTSの人気番組『Foot!』。超ワールドサッカーでは、今週の月曜から金曜にわたってFoot!×超WSコラボ企画を実施。最終日となる今回は、『Foot! FRIDAY』のMCを務める倉敷保雄氏のインタビューをお届けする。(※インタビューは11月10日に実施。成績は第11節終了時点)
▽1994年以降に生まれた若手プレミアリーガーで注目している選手と、プレミアリーグ第11節を終えた段階での今夏のベスト&ワースト補強選手を倉敷氏にうかがった。
▽倉敷氏は、アーセナルに在籍するスペイン人DFエクトル・ベジェリンを期待の若手に選出。今夏の移籍におけるベスト選手にはチェルシーのフランス代表MFエンゴロ・カンテ、そしてワースト選手には同じフランス人でユベントスから歴代最高の1億500万ユーロ(当時約119億円)と伝えられる移籍金でマンチェスター・ユナイテッド入りしたMFポール・ポグバを選んだ。
――今シーズン注目の若手選手を教えてください
「エクトル・ベジェリンですね。これほど速いサイドバックは見たことないです。みんな速いプレミアの中でも明らかに速いので、相当抜けていますよ。見ていて楽しくなるぐらい速いから、僕は彼のことがとっても好きですね」
「バルセロナを袖にしてまで、アーセナルに捧げる選手ならば、レジェンドになれる可能性もありますね。アーセナルは良いチームなのに、最近はレジェンドが出てきていない。ベジェリンにはアーセナルのレジェンドになってほしいですね。将来、スペイン代表の右サイドバックとしても頑張ってほしい。期待も込めて選びました」
――ベジェリンがより良い選手になるため、課題はどこでしょう
「守備でしょうね。タッチライン際でサイドを壁にしているときのプレーは良いけど、背後を取られないようにしていく、といったようなところが勉強できれば。そういうところは、イタリア人がうまいけど、スペイン人は下手ですよね。覚えたことがないところなので、ヴェンゲルがうまく教育していってほしいですね」
――今夏の移籍市場におけるベスト選手を教えてください
「カンテです。コンテという言葉の壁がある監督を救っていますね。どんなシステムでも自分の仕事ができる。ゴールも狙えるし、気取ったところがなくて、いろんな選手をリスペクトする。チームを見ても、いじられて可愛がられている。そういう選手が中にいると、風通しがよくなる」
「コンテを助けている象徴、チェルシーが躍進する土台は間違いなくカンテです。レスターが失速している原因も彼ですよね。カンテみたいな選手はなかなかいませんよ。世界中のクラブが欲しがるような選手です」
――今夏の移籍市場におけるワースト選手を教えてください
「値段も考えて、ポグバでしょうね。僕の考えでは、非常に不幸な移籍をしてしまった印象です。最も脆弱な守備であるユナイテッドに加入しました。今までは、ユベントスというフカフカのベッドにいたわけですよ。自分のやらなければいけない仕事が決まっていて、その中で攻守のつなぎ役としてリンクマン、パサー、フィジカルでもって敵陣深くで仕掛けていた」
「今は常に、『ブリントはどこだ、ロホはどこだ』って気にしながらやらなければいけない。本当に気の毒だと思います。ポグバのせいじゃないけど、まったくハマらない。気の毒に、あの移籍金で今の働きだと、いらないという風になる。だったらもっと他の選手を中盤に入れた方が良い」
――現有戦力でポグバを生かすための打開策は考えられますか
「思い切って中盤の底(アンカー)で起用するか、ウイングや前線で使うというような(役割をはっきりさせてあげる)ことですね。今のポジション(2センターの一角)ではダメです。あそこは、それこそカンテのような選手を入れれば、ポグバは甦りますよ」
――キャリックと併用させる案についてはいかがでしょう
「キャリックに関しては、1年間とおして起用できる保証がないですよね。パスセンスは良いけど、じゃあ中盤で戦ってボール奪取できる、インターセプトの回数はどれくらいだってなった時、僕は疑問です。だったらシュナイデルランが良いけど、彼もモウリーニョは生かしきれていないですね」