★【平成サッカー30年の軌跡】 平成17年/2005年 黄金世代に高まる期待

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新元号が「令和(れいわ)」に決定し、2019年4月30日をもって幕を閉じる「平成」。日本サッカーにとって、「平成」という時代は大きな変革を遂げた30年間となりました。

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新元号が「令和(れいわ)」に決定し、2019年4月30日をもって幕を閉じる「平成」。日本サッカーにとって、「平成」という時代は大きな変革を遂げた30年間となりました。Jリーグ設立、ドーハの悲劇、日韓W杯招致…。激動の30年を平成の出来事と共に振り返ってみましょう。

世の中の流れ


2005年、小泉政権が行政改革の一環として郵政民営を行った。

■イベントに富んだ1年
平成17年(2006年)は日本にとって様々な分野で多くの出来事が起こった年となりました。まず4月には、JR福知山線脱線事故が起こります。兵庫県の尼崎市内を走っていた列車が、カーブを曲がり切れずに脱線し、線路沿いにあったマンションに突っ込みという脱線事故が起こりました。午前9時の通勤ラッシュの満員電車に起きた事故だった為、運転手を含む死者107名、負傷者562名を出すという史上最悪の脱線事故となりました。これを機に緊急列車防護装置の導入が全国的に進みました。

一方、3月から9月まで「愛・地球博」と呼ばれた2005年日本国際万国博覧会が愛知で開催され、日本中、そして世界中から最新鋭の科学技術の祭典を見に人々が集まりました。特に、保存状態が極めて良い冷凍マンモスが目玉の展示物として話題を呼びました。

政界では、小泉純一郎首相が郵政民営化を争点とした「郵政解散」を決行。解散・総選挙が行われ、自民党が圧勝しました。その結果、国営企業だった郵政公社が日本郵政グループとなり、郵便、簡易保険、郵便貯金がそれぞれ、日本郵政と郵便局、かんぽ生命、そしてゆうちょ銀行という民営会社に分割されました。

また、スポーツ界では、ニュースターが誕生します。アイススケート女子のGPファイルで浅田真央が15歳で優勝し、史上最年少優勝を記録します。浅田真央は国民的な人気を誇りアイススケート女子の国内での人気を大きく引き上げました。

国外に目を向けると、アメリカで大きな自然災害が起きています。ハリケーン「カトリーナ」がフロリダとニューオリンズに上陸し、死者1,200人以上を出す大惨事になりました。一部の被災地では、物資を断たれた住民たちが略奪を行うなど、アメリカ社会の闇が垣間見える出来事になっています。




サッカー界

コンフェデ杯2005でブラジルに挑んだ日本代表のイレブン。王国ブラジルと2-2で引き分けたことは大きな自信に繋がった。

■日本がブラジルに“並んだ”日
ジーコ体制3年目を迎えた2005年、日本代表は再びコンフェデレーョンズカップ2005に参加します。アジア王者として活躍が期待された日本でしたが、結果は1勝1分1敗でまたも予選リーグ敗退に終わってしまいました。しかし、グループリーグで同組になったブラジル戦では、2度リードされる展開になりながらも、中村俊輔のスーパーミドルなどで2度同点に追いつき、世界王者ブラジル相手に、2-2で引き分けるという熱戦を演じます。ロナウジーニョやカカといったスーパースターを擁するチーム相手に引き分けたというのは、大きな自信に繋がり、「日本があのブラジルに日本が追いついた」と言われました。

この大会は、必ずしも結果は伴いませんでしたが、内容の面で確実に日本サッカーが強くなっているという印象を国民に与えます。また、中田英寿、中村俊輔、小野伸二、稲本潤一からなる「黄金のカルテット」と呼ばれる4選手を中心に、史上稀にみるタレント集団が集まる日本代表チームが完成しつつあり、翌年のドイツW杯に向け国民の期待が高まっていました。


2019年4月17日(水)19:00

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