6日、ヤンマースタジアム長居で明治安田生命J1リーグ第28節のセレッソ大阪vs鹿島アントラーズが行われる。
現在勝ち点46で4位につけるC大阪が、勝ち点52で首位と勝ち点さ「1」の2位につける鹿島を迎える一戦。現在のリーグで好調の2チームによる注目の上位対決となる。
◆ダービー勝利の勢いで一気に上位へ〜セレッソ大阪〜
C大阪は現在4位。来シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を確保できる3位の横浜F・マリノスとは勝ち点差「3」。対戦する鹿島とは勝ち点差「6」に位置。逆転優勝の可能性を見出すにも負けられない一戦となる。
現在5連勝中のC大阪は、J1リーグの中で最も調子の良いチームと言っていいだろう。特に前節はガンバ大阪との“大阪ダービー”を同じくヤンマースタジアム長居で行い、3-1と快勝。7年ぶりのダービー勝利は、さらなる上位を目指すC大阪にとっては大きなプラス材料だ。
今シーズンから指揮を執るミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の戦術も浸透し、チームとして攻守にわたってしっかりと機能しているC大阪。しかし、ここにきてボランチの一角を務めるMFレアンドロ・デサバトがクビの負傷で前節を欠場。それでも、チームとしてやることを完遂できた。
チームとしてのバランスが良い中で、よりチーム力の高い鹿島との一戦。ここで勝利を収め、優勝争いに割って入っていきたいところだ。
◆いざ3冠へ〜鹿島アントラーズ〜
対する鹿島は、C大阪ほどではないが直近5試合を3勝2分け、6戦無敗と終盤に向けて調子を上げてきた。首位のFC東京に肉迫している状況だけに、このままプレッシャーをかけ続けて頂点に立ちたいところだろう。
前節はホームでの北海道コンサドーレ札幌戦だったが、試合を決めきれずに1-1のドロー。しかし、FC東京も松本山がFCに引き分けたため、勝ち点差「1」は変わっていない。FC東京が死のロードに入っている最中に、なんとか首位の座を奪っておきたいところだろう。
リーグ戦では調子を維持している中、ACLでは広州恒大を相手に負けてはいないものの、アウェイゴール差で敗退。タイトルを1つ逃すことが決定してしまった。4冠を常に狙うチームにとって、1つ落としたことで残り3つのタイトルをしっかりと獲得することは至上命令だ。強敵であるC大阪を相手でも、したたかに勝利を目指してくるだろう。
そんな鹿島は、ボランチに負傷者が続出。MF三竿健斗、MF名古新太郎が負傷している最中、MFレオ・シルバも札幌戦で負傷交代。さらに、得点源のMFセルジーニョも練習を欠席するなど、順風満帆とは言えない状況だ。それでも、今節FC東京がサガン鳥栖に敗れたため、首位浮上のチャンスが巡ってきた。この状況下でしっかりと結果を残すのが鹿島アントラーズだが、アウェイ戦でどう戦うかに注目だ。
【予想スタメン&フォーメーション】
◆セレッソ大阪[4-4-2]
©️CWS Brains, LTD.
GK:キム・ジンヒョン
DF:松田陸、マテイ・ヨニッチ、木本恭生、丸橋祐介
MF:水沼宏太、ソウザ、藤田直之、柿谷曜一朗
FW:ブルーノ・メンデス、奥埜博亮
監督:ミゲル・アンヘル・ロティーナ
出場停止:なし
予想スタメンは前節の“大阪ダービー”と同じ11名。勢いそのままに、上位対決に臨む。G大阪戦ではセットプレーから得点を奪えており、鹿島戦でも得点を狙えるチャンス。中盤の勝負でケガ人続出の鹿島を上回り、攻撃を司る4人の得点に期待だ。
◆鹿島アントラーズ[4-4-2]
©️CWS Brains, LTD.
GK:クォン・スンテ
DF:小泉慶、ブエノ、犬飼智也、小池裕太
MF:セルジーニョ、永木亮太、白崎凌兵、中村充孝
FW:伊藤翔、土居聖真
監督:大岩剛
出場停止:なし
ケガ人が相次いでいる鹿島の予想は難しいところ。一気に手薄となったボランチには、左サイドを務めていた白崎凌兵が入ると予想。永木亮太とのコンビになるだろう。その白崎が務めていた左サイドには、ケガから復帰した中村充孝を起用か。ケガで練習を欠席していたセルジーニョは復帰しており、5戦連発に期待だ。
【注目選手】
◆FWブルーノ・メンデス(セレッソ大阪)
©︎J.LEAGUE
C大阪の注目選手は、チームの得点源であるFWブルーノ・メンデスだ。印象深い“チャント”がに乗ってゴールを挙げていたブルーノ・メンデスだったが、前節はリーグ戦8試合ぶりにゴール。チームのダービー勝利に花を添えた。推進力あるプレーは、中央の厚みを失いかけている鹿島にとっては嫌な相手。水沼宏太、奥埜博亮、柿谷曜一朗とのコンビネーションで連発を狙いたい。
◆MF白崎凌兵(鹿島アントラーズ)
©︎J.LEAGUE
鹿島の注目選手は白崎凌兵を挙げたい。三竿、レオ・シルバとボランチが長期離脱。名古も完全合流ができていない苦しい台所事情で、ボランチでの出場も予想される白崎。清水エスパルスでは一時期プレーしたこともあり、前節も終盤はボランチの位置でプレーしていた。これまでとは景色は変わるが、持ち前の攻撃センスとゲームメイク力はボランチでも活かせる。今までと違った形での前線との絡みで、首位追走となる勝利に貢献したい。
◆カギを握る先制点、主導権を握るのは
互いに目指すのはより高い順位。終盤戦での上位対決は、自然と力と熱が入るものだ。しかし、試合の入りは冷静に行きたいところだろう。
先制点がどちらに入るかは、このゲームの進行を大きく左右する。リーグ最少失点タイのC大阪とリーグ最多得点タイの鹿島の一戦。打ち合いになることは考えにくいが、先制点の生まれる時間帯によっては大きく試合の展開が変わるはずだ。
何れにしても試合の主導権を握りにいくことは間違いなく、1つのミスが結果につながる可能性もある。緊迫した戦いでは経験が結果に影響しがちだが、好調同士の両チームの対戦では、勢いで押し切る可能性も。
ハイテンションになりがちな展開が予想されるだけに、いかに普段通りのプレーを出せるかがカギを握るだろう。今節最注目の上位対決、C大阪vs鹿島は6日の15時00分にキックオフを迎える。