東京ヴェルディにJ1での16年ぶり勝利をもたらしたFW山見大登が、さらなる活躍を誓った。
東京Vは3日、レモンガススタジアム平塚で行われた明治安田J1リーグ第6節の湘南ベルマーレ戦を2-1で逆転勝利した。
2試合連続で先制を許す厳しい試合において“ゲームチェンジャー”として抜群の存在感を放ったのが、ガンバ大阪から期限付き移籍加入中の緑の新11番だった。
後半頭に負傷のMF森田晃樹に代わって投入された山見は、投入直後から左サイドでの積極的な仕掛けで攻め手を担うと、75分にセットプレーの流れから正確な左クロスでDF谷口栄斗の同点ゴールをアシスト。さらに、86分には左サイドでのMF齋藤功佑との連携からボックス内に侵入すると、鋭い右足のグラウンダーシュートをゴール右下隅に突き刺し、土壇場での逆転ゴールを奪ってみせた。
そして、チームは待望の今季初白星と共に2008年10月18日の大宮アルディージャ戦以来、5646日ぶりとなるJ1での白星を手にした。
前節の京都サンガF.C.戦でのPK奪取に続き、この試合では1ゴール1アシストの活躍をみせ、東京Vに16年ぶりとなるJ1での歓喜をもたらした背番号11は、「J1のなかでの1試合という感じですけど、チームとしては結果につながってこなかったという部分で、自分のゴールで勝てたというのはすごく大きい」と殊勲の働きを素直に喜んだ。
得意の形で決めた新天地での初ゴールについては「奥に(齋藤)功佑くんが走っているのはわかっていたので、そこにうまく絡んでいけたらいいなと思っていたら、たまたま転がってきたので、あとは前向いてゴールだけ目指してトラップがうまくいったので、それで入った感じです」と、ほぼ思い描いた通りのプレーだったと振り返った。
アウェイサポーターが陣取るゴール裏へ一目散に駆け込んだゴールセレブレーションに関しては「ここまで勝利というものをサポーターの皆さんに届けられていなかったので、自分のゴールで勝たせられるチャンスが巡ってきたので、サポーターのもとに走りました」と、開幕から悔しい思いをさせてきたサポーターに対する思いも滲ませている。
「このチームのインテンシティというところに慣れるのに時間がかかった」と、試合後の会見で城福浩監督が語ったようにプレシーズンと開幕後数試合はプレー強度、守備の部分でチームが求められる水準の仕事ができず、ストロングポイントである局面打開、フィニッシュの精度という部分でも期待されたほどの活躍を見せられなかった。
ただ、チームへの順応と共にコンディション面の向上によって京都戦、今回の湘南戦では攻撃面で目に見える結果を残すことができた。
山見自身も「動けている感覚はありますし、自分としても前節のプレーを見たからこそ、味方も自分を使いやすくなったと思う」と、手応えを口にする。
守備に関しては「今日もですけど、後ろから怒られるシーンもありましたし、そこの部分はまだまだ改善していく必要がある」と課題を自覚するが、前述の会見で指揮官は「自分のやりたいプレーでエネルギーを溜めるのではなく、前線の守備のスイッチになってくれた」と意識の変化を認めており、新天地で着実に進化を遂げている。
ここ2試合の活躍によって今後の初スタメンと共にレギュラーポジション奪取が期待される24歳FWは、「自分は攻撃の選手ですし、そこで結果を残さないと試合には出られないと思っているので、そこで見せつつうまくバランスを取りながらやっていきたい」と、引き続き課題に取り組みながらもアタッカーの本分である結果にこだわっていきたいと新たな決意を語った。
【動画】ヴェルディに16年ぶりのJ1勝利を届けた山見大登の決勝ゴール!