★アルゼンチンが善戦オーストラリアの追撃振り切って2大会ぶりのベスト8進出! 1000試合出場メッシがメモリアル弾《カタールW杯》
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カタール・ワールドカップ(W杯)ラウンド16のアルゼンチン代表vsオーストラリア代表が3日に行われ、2-1で勝利したアルゼンチンが準々決勝進出を決めた。
公式戦36戦無敗で臨んだグループC初戦のサウジアラビア代表戦でまさかの敗戦を喫したアルゼンチン。
カタール・ワールドカップ(W杯)ラウンド16のアルゼンチン代表vsオーストラリア代表が3日に行われ、2-1で勝利したアルゼンチンが準々決勝進出を決めた。
公式戦36戦無敗で臨んだグループC初戦のサウジアラビア代表戦でまさかの敗戦を喫したアルゼンチン。それでも、メキシコ代表、ポーランド代表との連戦を2連勝で飾り、最終的にグループ首位通過を決めた。前大会王者に屈したラウンド16突破を目指すスカローニ率いるチームは、2-0で勝利したポーランド戦からディ・マリアに代えてパプ・ゴメスを起用した以外同じメンバーを継続。なお、メッシにとってこの一戦はシニアレベルでのキャリア通算1000試合目のメモリアルゲームとなった。
一方のオーストラリアはフランス代表、デンマーク代表、チュニジア代表と格上と同居したグループDをディフェンディングチャンピオンに次ぐ2位で突破。チュニジア、デンマークとの直接対決を制した実力は決してフロックではない。2006年大会以来の決勝トーナメント進出を果たし、史上初のベスト8進出を目指すサッカルーズは、デンマーク戦からグッドウィンに代えてバッカスを起用した以外こちらも同じメンバーを起用。ミッチェル・デューク、レッキーと連勝の立役者も引き続きピッチに立った。
デンマーク戦とは異なり、マクグリーではなく長身MFアーバインをデュークと共に2トップに配したオーストラリアは、コンパクトな[4-4-2]のブロックを形成し、相手にプレースペースを与えない。
これを受け、アルゼンチンは最前線のメッシがディフェンスラインに近い位置まで下りてボールを受けながらパスや自らの運びで相手守備に揺さぶりをかける。
相手の出方を確認した後、試合はボールを握って攻め手を窺うアルゼンチン、堅守速攻で応戦するオーストラリアという戦前の予想通りの構図で進んでいく。互いになかなかフィニッシュまで持ち込めないが、相手の強度の高い連動した守備に攻めあぐねるアルゼンチンがよりストレスを感じる形に。
前半半ばを過ぎてもオーストラリアの思惑通りに試合が進むが、世界最高のフットボーラーが圧倒的な個の力で局面を打開した。35分、相手陣内右サイドで得たFKの流れからボックス手前右のマク・アリスターがグラウンダーのパスをボックス内に差し込むと、やや動きが重なりながらもオタメンディの短いマイナスの落としに反応したメッシがDFの股間を抜く完璧な左足のダイレクトシュートをゴール左隅に流し込んだ。
自身の1000試合出場を祝うエースの会心のゴールでオーストラリアの堅守をこじ開けたアルゼンチンは、ここから前に出てきた相手をうまくいなしながら時計を進めて1点のアドバンテージを得て試合を折り返した。
迎えた後半はオーストラリアがよりリスクを冒して前に出た中、アルゼンチンは50分にパプ・ゴメスを下げてセンターバックのリサンドロ・マルティネスを投入。この交代でモリーナとアクーニャをウイングバックに上げた[3-5-2]の形に布陣を変えた。
この交代でリスクを管理しつつ試合を落ち着かせることに成功したアルゼンチンは、前線からの見事な守備から追加点を奪う。57分、相手後方の繋ぎに対して右サイドに出たデ・パウルが果敢なプレスでGKへのバックパスを誘う。そのままGKライアンまでプレッシャーをかけると、やや慌ててコントロールをミスしたところに逆サイドからプレスに行ったアルバレスがボールを奪い切って無人のゴールへ右足のシュートを流し込んだ。
相手のミスからゴールを奪う最もダメージを与える形で2点目を手にしたアルゼンチンは、ここから危なげなく試合をコントロール。70分過ぎには殊勲のアルバレス、アクーニャを下げてラウタロ・マルティネス、タグリアフィコを同ポジションで投入。
これに対して2点を追うオーストラリアはフルスティッチ、グッドウィン、70分過ぎにはデュークやレッキーを諦めてマクラーレン、クオルをピッチに送り出して前がかる。
すると、77分には左サイドのベヒッチが入れたクロスをDFが撥ね返したボールに反応したグッドウィンがエリア外から強引に右足を振ると、これがゴール前のエンソ・フェルナンデスにディフレクトして大きくコースが変わると、ゴール右隅に決まった。
幸運なオウンゴールで点差を縮めたオーストラリアはこれで完全に息を吹き返す。そして、81分には左サイドで強引に内側へ切り込んだベヒッチが複数のDFをかわしてゴール前に侵入。だが、ややバランスを崩して放ったシュートはDFマルティネスの決死のブロックに阻まれる。さらに、このプレーで得たCKの流れからフルスティッチが得意の左足を振るが、これもわずかに枠の上へ外れる。
その後、最少得点差のまま突入した後半最終盤はノックアウトステージらしい緊迫感のある攻防に。
アルゼンチンがラウタロの3度の決定機逸でオーストラリアに望みを与える中、サッカルーズは198cmの長身DFを最前線に上げた決死のパワープレーでワンチャンスを狙う。すると、7分が加えられた後半アディショナルタイムのラストプレーではボックス内のクオルにビッグチャンスが訪れるが、ここはGKマルティネスが見事なファインセーブで阻止。何とかリードを守り切った。
そして、史上初のラウンド16突破を目指したオーストラリアを退け、2大会ぶりのベスト8進出を果たしたアルゼンチンは、9日に行われる準々決勝でオランダ代表と対戦する。
アルゼンチン代表 2-1 オーストラリア代表
【アルゼンチン】
メッシ(前35)
アルバレス(後12)
【オーストラリア】
オウンゴール(後32)
2022年12月4日(日)6:02