★王者フランスがモロッコの進撃ストップでアルゼンチンとの連覇懸けたファイナルへ《カタールW杯》
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カタール・ワールドカップ(W杯)準決勝のフランス代表vsモロッコ代表が14日に行われ、2-0で勝利したフランスが決勝進出を決めた。
史上3カ国目の大会連覇を目指すフランスは準々決勝で優勝候補イングランド代表と対戦。
カタール・ワールドカップ(W杯)準決勝のフランス代表vsモロッコ代表が14日に行われ、2-0で勝利したフランスが決勝進出を決めた。
史上3カ国目の大会連覇を目指すフランスは準々決勝で優勝候補イングランド代表と対戦。試合内容は拮抗も、チュアメニとジルーのゴールを守護神ロリスを中心に守り切って2-1の勝利を収め、連覇に向けた大きな関門を突破した。
アルゼンチン代表が待つファイナル進出を懸けたダークホースとの一戦ではイングランド戦から先発2人を変更。いずれも体調不良のウパメカノとラビオに代えてコナテとフォファナを起用。[4-3-3]の前線にはデンベレ、ジルー、ムバッペが並んだ。
一方、アフリカ勢、アラブ勢の期待を一身に背負って快進撃を続けるモロッコは前ラウンドでポルトガル代表と対戦。優勝候補相手に粘り強い戦いを見せた中、エン=ネシリの虎の子のゴールを最後まで守り抜いて1-0の勝利。アフリカ勢悲願のベスト4進出を成し遂げた。
前大会王者を相手に更なる番狂わせを狙う“アトラスの獅子”はポルトガル戦から先発2人を変更。アティヤト・アラーとアマラーに代わって負傷明けのアゲルドとマズラウィが復帰し、今大会では初となる[5-4-1]の布陣に変更した。なお、アゲルドにウォームアップ中のトラブルか、急遽キックオフ前にダリが入った。
布陣変更のモロッコの出方を少し窺ったフランスだったが、立ち上がりからボールを握って早い時間帯のゴールを目指す。すると、モロッコの直前のアクシデントが影響する形でゴールが生まれる。
5分、アゲルドに代わって急遽ディフェンスラインに入ったダリがインターセプトを試みた際に対応を誤ってグリーズマンが完璧に入れ替わってボックス右に侵入。その折り返しに中央で反応したムバッペのシュートは相手守備のブロックに阻まれるが、ファーでこぼれ球に反応したテオ・エルナンデスが浮いたボールを上から被せる形の左足シュート。ピッチを強く叩いたボールがニア下を抜いた。
今大会初めてオウンゴール以外で失点を喫したモロッコはすぐさま反撃を開始。10分にはボックス手前でマズラウィからパスを受けたウナイが狙いすました右足のミドルシュートを枠の右隅へ飛ばすが、これはGKロリスの好守に阻まれる。
ここから試合により動きが出始めると、17分にはフランスに追加点のチャンス。最後尾のコナテからの縦パスに抜け出したジルーがDFサイスを振り切ってボックス左から強烈な左足シュートを放つ。だが、これは惜しくも左ポストを叩いた。
何とかポストに救われて2失点目を免れたモロッコだが、太ももを痛めながらの強行出場となったキャプテンのサイスがプレー続行不可能となり、21分に中盤のアマラーを投入。この交代で本来の[4-1-4-1]に並びを戻した。
以降は1点リードのフランスがマイボール時はテンポをコントロールしつつ、モロッコにボールが渡った際には自陣で堅固なブロックを形成し、持たせる形でうまく対応する。
そして、要所で得意のカウンターに持ち込むと、36分には続けてビッグチャンスを創出。チュアメニの馬力のある仕掛けからのスルーパスに反応したムバッペがボックス左でGKを引き付けてシュート。DFの見事なゴールカバーに遭うも、このこぼれに反応したチュアメニのラストパスをボックス中央のジルーが反転シュート。だが、これを枠の左に外してしまう。
相手のフィニッシュの精度にも救われ、最少得点差を維持して粘るモロッコは前半終盤にセットプレーからチャンスを作る。44分、ハキミの絶妙な飛び出しから得た右CKの流れからボックス内のエル・ヤミークが豪快なオーバーヘッドシュート。これが枠の左下隅へ向かうが、GKロリスが驚異的な反応でわずかに触ったボールはポストを叩く。その後もセットプレーで惜しい場面を作り出すが、前半の内にロリスの牙城を破ることはできなかった。
迎えた後半、負傷明けのマズラウィを下げてアティヤト・アラーを左サイドバックに投入したモロッコは、前半終盤の良い流れを持ち込んで押し込む入りとなる。そして、流れの中でもサイドを起点に良い崩しを見せるが、コナテやグリーズマンの好守に阻まれる。
以降はムバッペの個人技以外に攻め手を見いだせないフランスに対してモロッコペースの時間帯が続くが、モロッコもアタッキングサードでの大胆さ、精度を欠いて試合は膠着。
そういった中で両ベンチが動きを見せると、これが試合の流れを変える。
ゴールをこじ開けたいモロッコは66分にエン=ネシリとブファルを下げてハムダラーとアブクラル、78分にはアマラーに代えてエゼ・アブデを投入。一方、守勢のフランスは65分にジルーを下げてテュラムを投入し、この交代でムバッペが最前線にポジション移す。さらに、79分にはデンベレを下げてコロ・ムアニをピッチに送り出す。
すると、79分にはチュアメニの中盤でのパスカットからフランスがカウンターに持ち込むと、ボックス手前でテュラムから足元にパスを受けたムバッペが複数のDFを相手に果敢な仕掛けから右足シュート。これがアブデの足に当たってゴール右のスペースに流れると、ドフリーのコロ・ムアニが難なく押し込み、代表4戦目にして値千金の初ゴールを挙げた。
これでフランスが決勝進出に大きく近づくも、不屈の“アトラスの獅子”はスタジアムの大声援を力に最後までゴールを目指す。そして、リスクを冒して猛攻を仕掛けていくが、フランスは最後まで身体を張った守備で隙を見せることなく2-0のまま試合をクローズ。貫録勝ちの前大会王者がダークホースの進撃をストップした。
この結果、連覇に王手をかけたフランスは18日にアルゼンチンとの優勝を懸けたファイナル、ベスト4敗退のモロッコは17日にクロアチア代表と3位決定戦を戦う。
フランス代表 2-0 モロッコ代表
【フランス】
テオ・エルナンデス(前5)
コロ・ムアニ(後34)
【動画】テオ・エルナンデスがアクロバティックな先制ゴール!
【動画】ムバッペのシュートから出場したばかりのコロ・ムアニがダメ押しゴール!
2022年12月15日(木)6:03