★競り勝ったクロアチアが堂々の3位フィニッシュ! 今大会の主役の一角担ったモロッコはアフリカ勢最高位の4位《カタールW杯》
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カタール・ワールドカップ(W杯)3位決定戦のクロアチア代表vsモロッコ代表が17日に行われ、2-1で勝利したクロアチアが3位フィニッシュした。
過密日程の疲労も影響してアルゼンチン代表に0-3の完敗を喫し、2大会連続ファイナル進出を逃したクロアチア。
カタール・ワールドカップ(W杯)3位決定戦のクロアチア代表vsモロッコ代表が17日に行われ、2-1で勝利したクロアチアが3位フィニッシュした。
過密日程の疲労も影響してアルゼンチン代表に0-3の完敗を喫し、2大会連続ファイナル進出を逃したクロアチア。勝利で今大会を終えたいダリッチ率いるチームは、準決勝から先発5人を変更。ブロゾビッチ、ロブレンやユラノビッチをベンチに置き、シュタロやスタニシッチ、マイェルら若手を初先発で起用し、ペリシッチを左サイドバック、前線のリバヤとクラマリッチを縦関係に配した[4-2-3-1]に並びを変えた。
一方、クロアチア同様に満身創痍の状態で前大会王者フランス代表に0-2で敗れて史上初の決勝行きを逃したモロッコ。史上初の3位入賞を目指す“アトラスの獅子”は、この一戦で先発3人を変更。負傷を抱えるサイスとマズラウィに加え、ウナイがスタメンを外れ、アティヤト・アラーとサビリ、これが代表デビューの18歳MFエル・ハヌスが起用され、[4-3-3]に並びを戻した。
グループF初戦で0-0のドローゲームを演じた両雄による3位フィニッシュを懸けた一戦は、堅い展開という戦前の予想とは異なり思わぬ撃ち合いに。
立ち上がりからボールを握って優勢に試合を進めていたクロアチアは7分、相手陣内中央で得たFKの場面でキッカーのモドリッチがうまくタイミングを外して浮き球のボールをボックス左のスペースに落とすと、これをペリシッチが巧みなヘディングで折り返す。最後はゴール前に飛び込んだグヴァルディオルが渾身のダイビングヘッドでゴール左隅に突き刺した。
クロアチアに今大会初の先制点を奪われたモロッコだったが、すぐさま追いつく。失点からわずか2分後の9分に相手陣内右サイドでFKを獲得。ここでキッカーのツィエクが左足で入れたクロスを相手MFマイェルが頭で触ったボールが浮き球の形でゴール前に向かうと、タイミング良くGKとDFの間に入ったダリが頭で押し込んだ。
共にセットプレーからゴールを奪い合った両者は、以降サイドを起点に見応えのある攻防を繰り広げていく。ボール支配率はほぼイーブンも、攻撃の精度、ビルドアップの質で勝るクロアチアが徐々にペースを掴んでいく。
その流れの中で18分には波状攻撃から左サイド深くでペリシッチが上げたクロスをクラマリッチがヘディングシュート、24分にはモドリッチがボックス手前右からのカットインで左足を振っていくが、いずれもGKボノの冷静なセーブに阻まれる。
一方、ブファルとツィエクのサイドを一時的に入れ替えるなど、攻撃面で試行錯誤の印象が強いモロッコ。それでも、前半半ばを過ぎてからはサイドでの良いコンビネーションを軸に可能性のある仕掛けを見せる。ハキミのボックス内への抜け出しからのクロス、ハキミの右CKに続けてエン=ネシリが反応して際どいシーンを作り出す。
前半終盤にかけてもモロッコペースで試合が進むも、先にゴールをこじ開けたのはクロアチアだった。42分、左サイドから右へのスムーズな展開から相手を押し込むと、マイェルが一度ボールを失うが、コバチッチが見事なカウンタープレスで奪い返す。そして、リバヤの粘りのキープからボックス左のスペースに短いラストパスが出されると、オルシッチが絶妙な右足ダイレクトでの浮き球のコントロールシュートをファーポストに流し込んだ。
迎えた後半、モロッコがサビリに代えてシャイルを投入する動きを見せたが、後半も立ち上がりはクロアチアペースに。開始直後にオルシッチの強烈な右足のミドルシュートでゴールへ迫ると、以降も左サイドを起点に崩しの形を創出。
その後、膠着状態に陥ると、両チームのベンチは選手の負傷や疲労の影響を考慮して積極的にカードを切っていく。
モロッコは負傷のダリ、エル・ヤミークのセンターバックコンビに代えてバヌン、アマラーを投入したほか、ウナイとザルリと攻撃的な選手を投入。対するクロアチアは負傷のクラマリッチに代えてヴラシッチ、リバヤとマイェルを下げてパシャリッチとペトコビッチとよりフィジカル的な選手を送り出す。
一連の交代によって試合全体の強度が再び上がると、モロッコに後半最大の決定機。75分、左サイドからのクロスに対して相手DFが被ると、ゴール右でフリーのエン=ネシリにシュートチャンス。だが、ここはGKリヴァコビッチの勇敢な飛び出しにコースを消されて決め切れない。
試合最終盤は冷静に時計を進めるクロアチア、リスクを冒して前に出るモロッコという構図の下、意地と意地がぶつかり合う白熱の攻防に。そして、6分が加えられたアディショナルタイムのラストプレーではアティヤト・アラーの正確なクロスからエン=ネシリに大きな見せ場が訪れるが、打点の高いヘディングシュートはわずかにクロスバーの上を越えた。
この結果、グループステージ初戦で対峙したモロッコに競り勝ったクロアチアが見事に3位フィニッシュを決定。一方、今大会を盛り上げた主役の1チームとなったモロッコはアフリカ勢史上最高位の4位フィニッシュとなった。
クロアチア代表 2-1 モロッコ代表
【クロアチア】
グヴァルディオル(前7)
オルシッチ(前42)
【モロッコ】
ダリ(前9)
2022年12月18日(日)2:00