★【W杯決勝プレビュー】20年ぶりのW杯再戦! 盤石レ・ブルー2度目の歓喜か、魂燃やすバトレニ初の戴冠か《フランスvsクロアチア》

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▽ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝、フランス代表vsクロアチア代表が15日24:00にルジニキ・スタジアムでキックオフされる。2度目の優勝を目指すフランスと、大会初制覇を目指すクロアチアによる、W杯20年ぶりの再戦となる運命のファイナルだ。

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▽ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝、フランス代表vsクロアチア代表が15日24:00にルジニキ・スタジアムでキックオフされる。2度目の優勝を目指すフランスと、大会初制覇を目指すクロアチアによる、W杯20年ぶりの再戦となる運命のファイナルだ。

▽今大会オーストラリア、ペルー、デンマークと同居したグループCを2勝1分けで首位通過したフランスは、ラウンド16でアルゼンチンとの壮絶な打ち合いを4-3で制すると、準々決勝では大会屈指の堅守を誇るウルグアイ相手に2-0の完勝。そして、ベルギーとの準決勝では白熱の攻防を繰り広げた中、後半立ち上がりにDFユムティティのセットプレーからのゴールで先制に成功。その後は相手の猛攻に晒されながらも、前線の選手たちが自陣に戻って守備をサポートする一丸の守備で逃げ切り1-0の辛勝で2006年ドイツ大会以来となるファイナル進出を決めた。

▽今大会ここまでの6試合ではウルグアイ戦を除く4試合が1点差での勝利と決して圧倒的な強さを見せてきたわけではない。それでも、大会が進むに連れて攻守両面の安定感が際立ち、静のリーダーである主将ロリス以外に動のリーダーとしてポグバやヴァラン、グリーズマンらが頼もしい姿を見せている。また、ザガロ(ブラジル)、ベッケンバウアー(西ドイツ)に続き歴代3人目の選手・監督でのW杯制覇が懸かるデシャン監督も持ち味の堅実な采配でチームを支える。クロアチア撃破に向けては先制点が非常に重要となる。相手の疲弊を考えれば、どんな形でもとにかく先にリードを奪い持ち味のソリッドな守備、FWムバッペらを中心としたカウンターで追加点を狙う展開に持ち込みたい。また、今大会を通じて一度も先制点を与えていないため、仮にリードを奪われた際には多士済々の控えアタッカー陣のプレーも重要になりそうだ。

▽一方、アルゼンチン、ナイジェリア、アイスランドと曲者揃いのグループDを3連勝で首位通過したクロアチアは、ラウンド16でデンマーク、準々決勝で開催国ロシアといずれも先制点を許した中、最終的に追いついてPK戦の末に突破。イングランドとの準決勝では再び先制される苦しい展開の中でFWペリシッチのファインゴールで追いつくと、3試合連続の延長戦にもつれ込みながらもFWマンジュキッチのゴールで勝ち越し同国史上初の決勝進出を果たした。

▽圧倒的な強さを誇ったグループリーグの戦いぶりで一躍優勝候補に浮上も、決勝トーナメントでは一転して大苦戦を強いられた中、チーム全体が120パーセントの力を出し切る、魂の戦いで悲願のファイナル進出を成し遂げた。人口約417万人の小国として国土、人口で最少国優勝を目指すバトレニ(炎の男)は最後までその情熱の炎を燃やし尽くす構えだ。フランス撃破に向けてはこれまで同様に質と量を兼ね備えた中盤の支配力と、攻守両面で戦える両ウイングの突破力を武器に真っ向勝負が求められる。ただ、これまでの消耗度を考えれば、先制点を与えてよりパワーを使って追いかける展開は避けたい。それだけに不用意なボールロストを避けつつネガティブトランジションでのより一層の集中が重要となる。

▽なお、両チームの通算対戦成績はフランスの2勝3分け。直近に行われた2011年3月のフレンドリーマッチではフランスがロリス、マテュイディ、ラミがプレーし、クロアチアがモドリッチ、ロブレン、ペリシッチ、チョルルカ、ストリニッチ、ラキティッチ、ヴィダが出場した中、0-0のドローに終わっていた。

▽また、W杯での唯一の対戦は1998年フランス大会の準決勝。そして、現指揮官デシャン監督がキャプテンを務めたフランスがDFテュラムの2ゴールによって2-0の勝利を収めた。この結果、決勝に駒を進めたフランスはブラジルを破って初優勝を飾り、決勝進出の夢を絶たれたクロアチアは3位決定戦でオランダを破って同国史上最高位の3位で大会を終えていた。

◆フランス◆
【4-2-3-1】
▽フランス予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ロリス
DF:パヴァール、ヴァラン、ユムティティ、リュカ
MF:カンテ、ポグバ
MF:ムバッペ、グリーズマン、マテュイディ
FW:ジルー
負傷者:DFシディベ、MFマテュイディ
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関してはコンディション不良のシディベ、マテュイディが軽傷を抱えているが、いずれも起用可能なレベルだ。したがって、ベルギー戦をプレーした11人が引き続きプレーする見込みだ。

◆クロアチア◆
【4-1-4-1】
クロアチア予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:スバシッチ
DF:ヴルサリコ、ロブレン、ヴィダ、ストリニッチ
MF:ブロゾビッチ
MF:レビッチ、モドリッチ、ラキティッチ、ペリシッチ
FW:マンジュキッチ
負傷者:GKスバシッチ、DFヴルサリコ、ストリニッチ、FWペリシッチ、マンジュキッチ
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関しては軽傷と極限の疲労の影響でスバシッチ、ヴルサリコ、ストリニッチ、ペリシッチ、マンジュキッチの5人が2日前の練習を回避した。しかし、不屈の闘志を持つバトレニの主力は意地でも間に合わせてくるはずだ。

▽仮に数人の先発起用が難しい場合はチョルルカやピバリッチ、コバチッチ、クラマリッチあたりが代役を担うことになるだろう。

★注目選手
◆フランス:MFエンゴロ・カンテ
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▽フランスの注目プレーヤーはレ・ブルーの中盤を支えるカンテだ。アルゼンチン戦でのメッシへのマンマークやベルギー戦でのカウンター対応など、主に守備の局面で圧倒的な存在感を放つ世界最高峰の守備的MF。加えて、豊富な運動量と判断力を武器にパスの受け手や局面を変えるボールの持ち出しなどその仕事量の多さは計り知れない。

▽今回の決勝ではポグバと共にモドリッチ、ラキティッチと相手のキーマンを封じることに加え、相手の強力なサイドアタッカーに対峙するサイドバックへのサポートが最優先事項だ。加えて、攻撃面では攻撃の出発点となるポグバをシンプルに使いつつ、積極的なランニングでパスコースやスペースを作り出すサポートのプレーが求められる。レ・ブルーでの初タイトルを手にし、これまで比較されることが多かったマケレレを名実ともに越えたいところだ。

◆クロアチア:MFルカ・モドリッチ
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▽クロアチアの注目プレーヤーは絶対的エースのモドリッチだ。今大会ここまで全試合に出場し2ゴール1アシストを記録しているうえ、大会出場選手中最長となる39.1マイル(約63km)の走行距離を記録。その傑出したプレー精度を含めその抜群の存在感から今大会MVPと共にバロンドールに推す声も挙がる。

▽今大会ここまでの戦いぶりを見れば、クロアチアが決勝進出に相応しいチームであることは明らかだが、その一方でグループ首位通過の恩恵や優勝候補の不振を受け、逆の山に比べてラクな対戦相手が続いたことも事実だ。そして、この決勝で対戦するフランスは間違いなく今大会最も厳しい対戦相手だ。日程面や消耗度合の差も含めて相手の優位は揺らがないが、その差を引っくり返せるとすれば、この絶対的エースの圧倒的なパフォーマンスだ。カンテ、ポグバ、グリーズマンという難敵を相手に悲願の初優勝をもたらす働きを見せられるか。

2018年7月15日(日)12:00

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