★【日本代表プレビュー】大事な初戦、不測の事態でも対応力を見せられるか《カタールW杯アジア2次予選/ミャンマーvs日本》

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10日、2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)に向けたアジア2次予選のミャンマー代表vs日本代表の一戦が行われる。

これまで、今年1月のアジアカップ、6月のコパ・アメリカと公式戦を戦ってきた森保一監督率いる日本代表だが、ついに最大の目標であるW杯出場に向けた大事な予選がスタートする。

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10日、2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)に向けたアジア2次予選のミャンマー代表vs日本代表の一戦が行われる。

これまで、今年1月のアジアカップ、6月のコパ・アメリカと公式戦を戦ってきた森保一監督率いる日本代表だが、ついに最大の目標であるW杯出場に向けた大事な予選がスタートする。

これまでの予選でも苦戦を強いられたアウェイでの初戦。どのような戦いを見せるだろうか。

◆日本以外はすでに開幕

日本代表(33位)が入ったグループFは、モンゴル代表(187位)、タジキスタン代表(119位)、キルギス代表(95位)、ミャンマー代表(135位)が同居。全てが最新のFIFAランキングでも格下であり、日本としては突破しなければならない戦いとなる。

各グループ1位と各グループ2位のうちの上位4カ国が最終予選へと駒を進めることになるが、日本も油断すれば敗退の可能性もゼロではない。しっかりと初戦から勝利しなければならない。

日本は5日にパラグアイ代表とキリンチャレンジカップ2019(○2-0)を戦っていたが、他の4カ国はすでに初戦を終えている状況、モンゴルがミャンマーに、タジキスタンがキルギスに勝利している状況。いずれも、格下のチームがホームで勝利を収めている。

状況を考えれば、ミャンマーは日本戦で敗れれば2連敗となるだけに、大事なホーム初戦で勝利を目指して戦ってくることは間違いない。苦しめられる可能性は高いだろう。

◆厳しい環境に打ち勝てるか
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日本が今回試合を行うミャンマーは、1年間を通して日本より平均気温が高く、最高気温と最低気温の差も激しい地域。亜熱帯気候に属しており、高温多湿な気候が特徴だ。

今回試合会場となるヤンゴンは、気温こそ高くはないものの湿度が高く、また現在は雨季のさなかということもあり、スコールを含めた雨に見舞われる可能性が高い。

また、芝の状態も良いとは言えず、日本でプレーしてきた環境とは大きく異なる。そこに雨が加われば、よりピッチ状態は悪くなり、日本にとっては足枷になるだろう。森保監督も前日会見で「練習でも体験しましたけど、スコールが降ってきてグラウンド状態が悪い中、どういった判断していくかというのは、現実的な良い判断をして相手を上回っていけるようにしていきたいです」とコメントしており、プレー判断が重要となりそうだ。

◆攻撃力には警戒を
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ミャンマーというと馴染みのない選手が多いだろう。初戦のモンゴル代表戦は、[4-4-1-1]を採用。2トップに入ったFWアウン・トゥ(背番号9)とFWチョー・コー・コー(背番号10)には警戒しなければならない。

アウン・トゥはタイリーグ1のムアントン・ユナイテッドに所属しており、テクニックとスピードのある選手。2015年のU-20W杯にミャンマーが初出場した時のメンバーであり、ニュージーランド代表戦ではゴールも記録している。一方のチョー・コー・コーは、サムットプラーカーン・シティ(旧パタヤ・ユナイテッド)に所属しており、ミャンマー人らしからぬフィジカルが強い選手だ。

この2選手を中心に攻撃を仕掛けるミャンマーだが、右サイドで起用されていたMFマウン・マウン・ルウィンがモンゴル戦で2度の警告を受け退場処分。攻撃の手を1つ欠いた状況となる。ホームアドバンテージを利用して積極的に攻めながらも、日本相手に勝ち点獲得を優先する可能性もあり、日本としては試合が始まってからの立ち振る舞いを考える必要がありそうだ。求められるのは対応力といえるだろう。

◆予想フォーメーション[4-2-3-1]
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GK:シュミット・ダニエル
DF:酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、長友佑都
MF:柴崎岳、橋本拳人
MF:久保建英、南野拓実、中島翔哉
FW:大迫勇也
監督:森保一

対応力が求められる日本だが、ベースとなるのはパラグアイ代表戦のメンバーと見ていいだろう。GKはシュミット・ダニエルを起用すると予想する。前述の通り、ピッチコンディションが良いとは言えない状況。足元の技術に長けているシュミットを起用するのがベストだろう。

最終ラインはパラグアイ戦と同様の4名を予想する。酒井宏樹(マルセイユ)、吉田麻也(サウサンプトン)、長友佑都(ガラタサライ)の3名は百戦錬磨の経験を持つ。厳しいアジアでのアウェイゲームも数多く経験しており、予選のスタートという点ではリスクを冒すことも考えにくい。また、センターバックの一角も冨安健洋(ボローニャ)で決まりだろう。現状の序列で考えても、また経験をさらに積ませるという点でも冨安が適任だ。積極的な攻撃参加も武器になると考えられる。

中盤に関してだが、ボランチは柴崎岳(デポルティボ・ラ・コルーニャ)と橋本拳人(FC東京)と予想する。遠藤航(シュツットガルト)のコンディション問題もあり、パラグアイ戦で先発した橋本だが、しっかりとした守備での対応を見せていた。最終ラインに吸収され、擬似3バックになることも可能。危険なところに顔を出して相手の攻撃の芽を摘む場面も見られた。コンディション次第では遠藤の可能性も高いが、橋本に期待したい。
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2列目に関しては若干の変更があると予想。右サイドには堂安律(PSV)ではなく、久保建英(マジョルカ)を起用すると予想する。パラグアイ戦では連携面に課題はあるものの、個の能力の高さを見せた久保。連携を実践で試すという点に加え、堂安のパフォーマンスがここ数試合はあまり良いとは言えない状況もある。久保がハマらなかった場合でも、堂安を投入することで前線4人の連携は機能することを考えると、先発で久保を試すことは大きなリスクにならないだろう。

中央には南野拓実(ザルツブルク)、左に中島翔哉(ポルト)、トップには大迫勇也(ブレーメン)が入るだろう。劣悪なピッチも予想されるが、大迫のキープと連携があれば苦にしないはず。ドリブルを仕掛けるのか、パスを使うのか、はたまた空中戦にするのか。いずれのパターンもピッチ内の判断が重要となる。パラグアイ戦で見せたような崩しがキレイに行かなくとも、ゴールを奪える攻撃ユニットであると証明してもらいたい。

◆初戦白星を掴むために対応力を
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大きく報じられている通り、4年前のロシア・ワールドカップに向けたアジア2次予選の初戦は、ホームでシンガポール代表相手に0-0のゴールレスドローに終わった。

常に主導権を握り、相手ゴールへと何度となくシュートを浴びせるも、決定力を欠いた日本。シンガポールの決死の守備もあり、スタッツでは大きく上回るもゴールが奪えないまま90分間が終了した。

叫ばれて久しい決定力不足という言葉だが、自陣に引いて必死に守ってくる相手を崩すのは容易ではない。力の差はあれど、守りに徹されればチャンスも減り、徐々に焦りが出てプレーが雑になることはよくあることだ。

今回の相手であるミャンマーは攻撃的に出る可能性もあるが、初戦で敗れていること、相手が日本であることを考えれば、ホームで勝ち点1を狙いにくる可能性もある。前線の連携でゴールを奪ってきた日本にとっては、ゴール前にバスを止められると苦しい状況に陥る可能性はある。その場合に戦い方を変える判断ができるか。日本が1つ上の階層に行けるかも試されるだろう。

チームとしての決め事、そして選手間の特徴の把握という点ではしっかりと積み上げたものが見える日本代表。あとは、それを形にできるかどうかだ。ベンチにも特徴を持った選手が控えていることを考えれば、立ち上がりからしっかりとギアを入れて戦うこと、そして試合中にリアリストになることができるかだ。

特に身長差を考えれば、セットプレーを含めた空中戦は日本に有利に働く。キレイに崩す事だけでなく、ゴールをしっかりと奪うための道筋を立てることが先決だ。

W杯予選の大事な初戦。ミャンマー代表戦は、10日(火)21時20分にキックオフを迎える。

2019年9月10日(火)14:00

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