★「取り返しのつかない試合しかない」最年長、ベテランGK川島永嗣の思考「普段通りにプレーできないというのが最終予選」
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2日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦でオマーン代表に0-1で敗れた日本。まさかの黒星スタートとなったが、2戦目の中国代表戦に向けてカタールへと移動した。
2日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦でオマーン代表に0-1で敗れた日本。まさかの黒星スタートとなったが、2戦目の中国代表戦に向けてカタールへと移動した。
カタールでの入国時には検査に時間を要した日本代表。カタール2日目となった4日、最年長で経験豊富なGK川島永嗣(ストラスブール)がオンラインのメディア取材に応じた。
フランスから日本、そしてカタールへと移動が続く中、川島自身のコンディションについては「コンディションは全然良いです。移動もチームが色々と気を遣ってくれていることもあって、昨日着いてからも少し検査等長かったでしたが、移動については問題はないです」とコメント。コンディションは問題ないと語った。
5年前、ロシアW杯を目指した最終予選でも初戦で敗れた日本。同じ状況となってしまった中、川島がチームに必要なメンタリティを語った。
「ここまで困難な状況は経験していないので、そういった意味でこういう最終予選が始まって、初戦で結果的に勝てなかった。こういう時こそ自分たちの本当の意味での力が求められると思うし、自分たちに集中して、どれだけ覚悟を持って進めるかが重要になります」
また、「1試合が終わって勝ち点0というところで、厳しい戦いになると思います」とやはり黒星スタートは大きな痛手だと語る川島。最終予選の難しさを改めて語った。
「戦い方も相手チームの出方も変わってくると思いますし、結果的になんとなく上手くいくことはないです」
「どのチームもW杯出場を懸けて全力でやってきますし、その点でただ表面的に上手くやれていることだけで予選は通過できないです」
5年前のUAE戦での敗戦時、川島自身は招集されていない状況だった。その後、予選が進んでいく中で、後半戦となる第6節のアウェイでのUAE戦で守護神として復帰。その後も守護神として活躍し、チームをW杯へと導いた。
当時を振り返った川島は「自分が出たかったということはあの時も考えてはいなかったですし、自分がやれること、チームにとってプラスになることをやろうとしか考えていなかったです」とチームのことを考えていたと語った。
「最終予選は取り返しのつかない試合しかないですし、1つ1つのプレーも取り返しがつかないので、そういうところでの最後まで勝利できるか信じるところかもですし、どれだけ考えられるかも微妙な差が大きな結果になる」
「それを自分たちはどれだけポジティブに良い意味で捉えて、リスクを背負って戦わなければいけないですし、それを結果につなげられるように、チームとしてどれだけ戦えるか。個人としてもどれだけチームの力になれるかを発揮していくことが大事かなと思います」
1試合に両チームが全てを懸け、それが10試合積み上げた先にあるのがW杯。取り返しのつかないというプレッシャーのある中で、いかにミスをなくし、チャンスを生かすのか。消極的なプレーは何も生まず、常にポジティブに考えなければいけないというメンタリティの難しさが伴うもの。また、上手くいかない時にどう対応すべきか、引き出しの多さ、判断とプレーの正確さが大事な要素となる。
「普段通りにプレーできないというのが最終予選で、その時に自分たちがどういう対応というか、どういう態度で試合に臨めるかが大事だと思います」
「もちろん、いつも通りできるのがベストだと思いますが、オマーン戦ではそういうシーンやそういう局面がなかったと見えました」
「そこはリスクを取る取らないではなく、上手くいかない中で自分たちがどう修正していくか。どう攻撃を活性化させるとか、そういう部分はもちろん理論的に考えられる部分もあると思いますし、自分たちの中で積極的に行ける部分と、セーフティにやれる部分とのバランスは常に保たなければいけないと思います」
「試合の状況で上手くいかない時にどうしなければいけないのか。どういうことをしていくかは、次の試合に向けては修正していかなければいけないと思います」
「後ろに関してはリスクを冒すというより、どれだけ正確にやれるかが一番ですし、そういった中でまず失点しないことが1つだと思います」
「アクシデントで失点することもあると思いますが、どうメンタル的に立て直すかが大事だと思います。あとはミスが起きた後に、それをすぐにカバーすることは大切だと思います」
圧倒的な強さで2次予選を突破した日本でも、初戦で窮地に立たされることがあるのが最終予選。ただ、残り9試合で取り返すチャンスはいくらでもある。この1敗をどう受け止め、チームとしてどう修正するのか。そこが道を分けることになりそうだ。
2021年9月4日(土)19:45