★【2022年カタールへ期待の選手vol.91】ベトナム戦は左サイドバックでチャンス?酒井高徳も認める才能を遺憾なく発揮せよ!/旗手怜央(川崎フロンターレ/DF)

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2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の行方を大きく左右する11月アウェー2連戦の初戦・ベトナム戦(ハノイ)が11日に迫ってきた。日本代表は長友佑都(FC東京)ら国内組第1陣の5人が8日に現地入りし、トレーニングを開始。

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2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の行方を大きく左右する11月アウェー2連戦の初戦・ベトナム戦(ハノイ)が11日に迫ってきた。日本代表は長友佑都(FC東京)ら国内組第1陣の5人が8日に現地入りし、トレーニングを開始。9日には第2陣の12人が合流した。が、同日到着予定だった吉田麻也(サンプドリア)ら欧州組11人がオランダ発チャーター便の遅れによって十分なトレーニングができず、ほぼぶっつけ本番で大一番に挑むことになった。

9月のオマーン戦(吹田)、10月のサウジアラビア戦(ジェッダ)と前回・前々回の2連戦の初戦を落としている日本にしてみれば、今回こそは万全の準備をして一発目のゲームに挑みたかったはず。だが、またしても森保一監督のアテが外れた格好だ。

となれば、コンディションを重視したメンバーを組むか、あくまで主力級にこだわるかは指揮官の判断となる。ハノイが想定よりも気温が低く、爽やかな気象条件という追い風はあるものの、できるだけ前者を採った方がよさそうだ。

となれば、3日にJ1連覇を達成した川崎フロンターレ勢にもチャンスが巡ってきそうだ。とりわけ、マルチ型の旗手怜央などは非常に有効なピースになり得る。左サイドバック(SB)としても使えるし、左MFやインサイドハーフ、場合によってはFWとしても起用できるからだ。高いレベルで1人何役もこなしてくれる人材がいれば、さまざまな事態に対応できる。予期せぬアクシデントに見舞われている今回のような試合の場合、旗手は貴重な戦力になるだろう。

メンバー発表時にDF登録だったため、森保監督は左SBを第一に考えていると見られる。ここには代表キャップ数129試合の長友がいるが、直近のJ1の試合で横浜F・マリノスに0-8で大敗し、彼自身も失点に絡むなど、必ずしも絶好調というわけではない。長友のバックアップ役には中山雄太(ズウォレ)もいるが、ベトナム到着遅れの便に搭乗しているうえ、日本が主導権を握る展開を考えると、旗手の方がベターなチョイスと言っていい。酒井高徳(神戸)も「旗手君は非常にいい選手」と絶賛していた。それだけのポテンシャルを秘めているのは間違いないのだ。

「ベトナムはブロックを作って中を締めてくるけど、外は勝負できるなという印象がある。中もそこまで大きい選手がいないので、クロスも質のいいボールを上げられれば、必ず点にはつながると思う」と長友も攻略法を語っていたが、やはり今回はサイドアタックが1つの肝。そこでアグレッシブな攻守のできる人材は必須だ。

旗手ならそのイメージにピタリと合うし、状態も悪くない。東京五輪の時は1・5軍のような扱いだったが、その後、川崎で目に見える成長を遂げ、決定的な仕事をする回数も増えた。三笘薫(ユニオン・サン=ジロワーズ)と田中碧(デュッセルドルフ)という2人の主力が海外移籍した後、彼が主力の自覚をもってチームをけん引したからこそ、9月のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)直後のリーグ5連戦も乗り切れた。傍目から見ると、チーム得点王のレアンドロ・ダミアンやベテラン・家長昭博らの活躍が目立つかもしれないが、旗手の成長なくして、川崎の早期優勝決定はなかったといっても過言ではない。

その経験値を今こそA代表に還元すべき時だ。本人も長い間、この舞台に立つことを夢見ていた。静岡学園の卒業式の時には日本代表になりたいと目標を掲げていたという。

「僕がこういうふうになると思っている人は誰もいなかったと思います。ただ、僕だけは自分に期待しているというか、信じていたし、なれると思っていました」と東京五輪メンバー発表時にこう語ったが、U-24日本代表を経て、A代表に飛躍したのだから、自身のビジョン通りに階段を駆け上がっているということだ。

ただ、A代表というのは、選出されるだけで終わりではない。高校と川崎の先輩でもある大島僚太もたびたび日の丸を背負い、2018年ロシアW杯に参戦したが、大会直前のケガが響いて出番なしに終わっている。川崎の偉大なレジェンド・中村憲剛(JFAロールモデルコーチ)にしても、2010年南アフリカW杯ではパラグアイ戦の後半36分からしかピッチに立てなかった。A代表で出場機会を得て、結果を残し、主力へ上り詰めていくのがいかに難しいことかを旗手はひしひしと感じているはずだ。

それでも、静学時代の恩師・川口修監督から「UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)決勝トーナメントに出られるような選手になれ」とハッパをかけられたことを本人は忘れてはいないはず。間もなく24歳になる旗手が成功街道を歩もうと思うなら、ここから一気にA代表での地位を固め、主力として日本をカタールへと導き、活躍するのが近道だ。

もしかするとその前にアンジェ・ポステコグルー監督率いるセルティックへの移籍話が決まる可能性もあるが、スコットランドへ行けたとしてもUCL上位のビッグクラブへのステップアップには強烈なインパクトが必要になる。カタールW杯は絶好の舞台。それを貪欲に取りに行くことが肝心なのだ。

さしあたって、フォーカスすべきは直近のベトナム戦だ。スタメンかサブかは分からないが、与えられた時間でキッチリ結果を残すことから全てが始まる。旗手怜央のA代表デビューが華々しいものになることを願ってやまない。

2021年11月11日(木)11:45

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