★守田の代役は? 酒井は間に合うのか? そして三笘を起用する勇気を/六川亨の日本サッカーの歩み

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11月15日、オマーンとの決戦を翌日に控えた日本代表の4選手がズームによる取材に応じた。そこから見えてきた、オマーン戦のスタメンを探ってみよう。

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11月15日、オマーンとの決戦を翌日に控えた日本代表の4選手がズームによる取材に応じた。そこから見えてきた、オマーン戦のスタメンを探ってみよう。

システムは2試合連続して勝利を収めた4-3-3を踏襲するものと思われる。その上で注目されるのは2つのポジションだ。まずはリーグ戦の負傷でベトナム戦はベンチ外となった酒井宏樹である。15日の会見でも足の付け根の負傷について「よくなってます」と言いつつ、「練習の中でやれることも増えている」と、まだ完治していないことを明かした。

そして「もっと早く治したかった。ケガというのは先が読めないので当初の予定とは違う」と筋肉系のケガのため長引いていることと、昨シーズンにマルセイユで捻挫した際、ガマンしてプレーしたことで「半年を棒に振った」経験から、「試合に出たいとか、根性で試合に出るのではなく、チームにとってプラス材料をもたらせられるかを判断している」ことで、オマーン戦の出場はほとんどないだろう。ベトナム戦に続きベンチ外の可能性もある。

そうなると右SBの候補はベトナム戦と同様に山根視来になるのか、室屋成ということになる。ベトナム戦では長友佑都、守田英正、南野拓実の3人による左サイドからの攻撃が多かった。このため山根はバランスをとって攻撃参加を控えたのかもしれないが、物足りなさを感じたものだ。

とはいえ、ベトナム戦での疲労が残っていなければ、あえて室屋を使う理由が見当たらない。順当なら山根で決まりだろう。

問題は累積警告で出場停止となり、ポルトガルへ帰国した守田の代わりに誰を起用するかだ。現状で代役候補は原口元気、柴崎岳の2人である。個人的には旗手怜央も候補に入れて欲しいところだが、オーストラリアとの2位争いに加わるためと、当該対戦成績を五分に戻す意味でもオマーン戦は勝利が義務づけられる。このため旗手はベトナム戦に続きベンチ外の可能性が高い。

そうなると選択肢は原口か柴崎か。ベトナム戦での柴崎は田中碧と交代で、逆三角形の前目のポジションに入り、決定的なシュートを2本放った。このシーンについて柴崎は「ポジションが前目ということもあり、ビルドアップ、組み立てよりフィニッシュの場面で自分の良さを出そうと思った。シュートやラストパスなど、ゲームメーカーというよりフィニッシャーという役割をより意識した」と、ポジションに応じてプレーを変えていた。

しかしベトナム戦は1-0とリードした状況だったこと。左サイドからの攻撃を担っていた南野と長友がベンチに下がり、前線には1人で突破できる浅野拓磨が、SBには中山雄太が後ろで構えたことで、柴崎が起用された時は守備への負担がかなり軽減されていた。

このためスタメンで南野と長友が起用される限り、左サイドのインサイドハーフは攻撃力が持ち味の柴崎より、「攻撃で前に推進力をもたらせるし、守備のインテンシティも強い」(遠藤航)原口の方が適任と言える。柴崎が、守田のように落ちてカバーに入り、長友を前線に押し出すようなプレーができたとしても、それは彼の能力を生かしているとは言えない。

もしも柴崎を使うとしたら、やはりボランチであり、遠藤とのダブルになるだろう。そうすると田中を頂点とする三角形の中盤になる。3人が状況に応じてポジションをチェンジし、交互にボックス内に飛び出せればそれも面白いが、3人のユニットは試合でトライしたことがない。このため現実的ではないのと、逆三角形の中盤でなければ4-3-3のメリットも生きないだろう。

やはり消去法でも原口の起用に落ち着く。原口は前回のロシアW杯最終予選のアウェーUAE戦でもオマル・アブドゥルラフルマンを完封した実績があるのも心強い。

以上が明日のスタメン予想だが、最後に森保監督には三笘薫の起用を是非ともお願いしたい。伊東純也のスピードは酒井も「純也みたいに1人で剥がせる選手は戦術を立てても役に立たない」と言うように効果は絶大だ。右サイドにスピードスターがいるのだから、南野と交代で起用するなら、同じタイプの浅野ではなくドリブラーの三笘の方が効果的なのは火を見るより明らかだ。

森保監督には三笘を起用する勇気を持ってもらいたい。

2021年11月16日(火)18:30

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