★日本代表の若返りは必要か/六川亨の日本サッカー見聞録

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今週月曜のコラムでは、

「オーストラリア戦を0-0で引き分けて、最終戦の結果次第で日本とサウジアラビア、オーストラリアの3チームのうち2チームがW杯に出場できるという状況だったなら、テレビのワイドショーも連日のように日本代表の練習を取材したかもしれない。

29日のベトナム戦は地上波で放映されるだけに、ファン・サポーターはもちろんのこと、普段はサッカーに興味のない人々の注目度もかなり高まったことだろう。

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今週月曜のコラムでは、

「オーストラリア戦を0-0で引き分けて、最終戦の結果次第で日本とサウジアラビア、オーストラリアの3チームのうち2チームがW杯に出場できるという状況だったなら、テレビのワイドショーも連日のように日本代表の練習を取材したかもしれない。

29日のベトナム戦は地上波で放映されるだけに、ファン・サポーターはもちろんのこと、普段はサッカーに興味のない人々の注目度もかなり高まったことだろう。そう考えると、1試合を残してW杯予選を突破したことは、安心すると同時に“もったいなかった"と感じてしまった」と書いた。

しかし29日のベトナム戦はご存じのように、低調な試合内容から1-1のドロー。このためサウジアラビア対オーストラリア戦の結果に関わらず日本はW杯出場を決めることができたが、薄氷ものの予選突破になっていた可能性もある(それはそれで痺れただろう)。

もちろん森保一監督は、オーストラリア戦がドローだったら9人もメンバーを入れ替えず、遠藤航と板倉滉もチームに残しただろうから、杞憂といえなくもない。

さて明日はいよいよ組分け抽選会だ。ベスト8を目ざすためにも、第1ポットの相手がどこになるのか気になるところ。そしてもう1つ、気になる点がある。それは主力選手の高齢化だ。

オーストラリア戦で勝利を収めたあとに、キャプテンの吉田麻也は「ホッとしています。とりあえず、もうちょっと代表でプレーできると思いました」と話していた。偽らざる心境だろうし、その思いは長友佑都も同じだっただろう。ブラジル、ロシアと2大会連続してW杯で悔しい思いをしたからこそ、今日まで頑張ってきた。もしもW杯の出場を逃すようなことがあれば、彼らは代表からの引退を口にしたに違いない。

そんな吉田はカタールW杯のときは34歳、長友は36歳、GK川島永嗣にいたっては40歳になる。彼ら以外にもGK権田修一は34歳、谷口彰俉と原口元気は31歳、佐々木翔も33歳になっている。

4年前のロシアW杯でもスタメンのGK川島は35歳、キャプテンの長谷部誠は34歳だったが、長友は31歳、乾貴士は30歳と比較的若い方だった。

過去の日本代表の監督は、結果を出すことに全力を尽くしてきた。それはそれで悪いことではない。しかし長期的な視野で見るなら、チームの新陳代謝、若返りも考える必要があり、それは反町技術委員長の仕事になる。メンバー選考はまだ先の話であり、今後の活躍次第で代表に招集される選手も出てくるだろう。

本大会ではベテラン選手の経験値はもちろん必要だが、そんなベテランをベンチに追いやる若手選手の台頭を期待したい。

2022年3月31日(木)17:30

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