浦和レッズは29日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝の1stレグをアウェイで戦う。
昨夏行われた東地区の準決勝で全北現代モータースをPK戦の末に下して決勝に駒を進めた浦和。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響やシーズン以降の関係もあり、決勝のスケジュールが大幅にずれた。
その結果、3月開催予定が4月末と5月頭の開催に変更。ついにその決勝を迎える。
3度目のACL制覇を目指す浦和だが、相手は最多4度の優勝を誇るサウジアラビアの強豪アル・ヒラル。5度目の優勝に向けて相手も気合が入っている。
アウェイでの初戦を戦う浦和だが、アル・ヒラルと決勝で対戦するのは3度目。2017年、2019年に続いての対戦となり、よく知った相手。それでも3度目のアジア制覇へ、4年前のリベンジを果たしたい。
◆チームの状態は悪くない【浦和レッズ】
マチェイ・スコルジャ監督を新たに迎えたシーズン。決勝への切符を掴んだメンバーから入れ替わりを見せ、指揮官も交代している中、今シーズンのスタートは不安なものだった。
開幕2連敗、無得点という最悪のスタートを切ったが、第3節をホームで迎えて初勝利。新監督の下、戦い方が浸透しない時期は苦しい戦いが続いた。
それでも、初勝利以降はYBCルヴァンカップ、明治安田生命J1リーグと負けなし。公式戦11戦無敗という状況で決戦の地へと飛び立った。
今シーズンの浦和を支えているのは、まずはCBの2人。DFアレクサンダー・ショルツとDFマリウス・ホイブラーテンの屈強な守備だ。対人の守備はもちろんのこと、危機察知能力も高く、互いのカバーリングも上手く遂行されている。
さらに、この2人は攻撃性のも高い。ショルツの攻撃参加は昨シーズンも見られたが、ホイブラーテンもパスの精度やドリブルでの運びなど、チャンスを見てはしっかりと前に顔を出していくスタイル。15日に行われた北海道コンサドーレ札幌戦では、2人ともゴールを決めるなど、結果にも表れている。
また、ケガ人などもいた中で中盤から前線にかけてはほぼ固定のメンバーがリーグ戦でプレー。徐々に個々の特徴もチームの戦いの中で落とし込まれていき、2列目の3人、小泉佳穂、関根貴大、大久保智明は流動的にポジションを変えて効果的なプレーを見せる。さらに3列目の伊藤敦樹、岩尾憲もチャンスと見れば前線に顔を出し、両サイドバックの明本考浩、荻原拓也らも攻撃参加を積極的に行うため、どこからでも攻め込めるという強さを持っている。
アウェイでのアル・ヒラル戦は今まで勝利なし。先勝できれば、3度目のアジア制覇は非常に可能性が高くなる。
◆アジア最強、連覇へ【アル・ヒラル】
対するアル・ヒラルは5度目のアジア制覇を目指す戦いに。昨シーズンもアジア王者になっており、連覇が懸かる戦いとなる。
過去2度の決勝での顔合わせでは1勝1敗という状況。ただ、ホームでは負けていないため、この試合でもしっかりと先に結果を残してくることになるはずだ。
今シーズンはサウジ・プロ・リーグで苦戦。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの参戦で注目を集める中、4位に位置している。
ヨーロッパの第一線でもプレーしていた選手を毎年抱えるアル・ヒラル。2019年の対戦時には、元イタリア代表FWセバスティアン・ジョビンコらを抱えていた。
今年のチームにはワトフォードやマンチェスター・ユナイテッドなどでプレーした元ナイジェリア代表FWオディオン・イガロ、ポルトでゴールを量産していたマリ代表FWムサ・マレガといった強力なストライカーが所属。その他にも、コロンビア代表MFグスタボ・クエジャール、元アルゼンチン代表MFルシアーノ・ビエット、ペルー代表MFアンドレ・カリージョらも所属している。
サウジアラビア代表選手も多く所属しており、日本との経験値も豊富な選手が多数所属。また、FC東京でもプレーした元韓国代表DFチャン・ヒョンスもプレーしており、やはりアジア最強という面子が揃っている状況だ。
指揮を執るラモン・ディアス監督も2017年、2019年と過去2度浦和と対戦しており、よく知っている相手。かつてのJリーグ得点王が、再び浦和の前に立ちはだかることとなる。
基本布陣は[4-3-3]となり、浦和としてはハマる相手。可変的に2トップになることもあり、どう対応していくのかはポイントとなるだろう。いかに落ち着いてプレーし、主導権を渡さないかが重要となる。
ACL決勝1stレグは29日の26時30分キックオフ。埼玉スタジアム2002ではパブリックビューイングも行われ、多くのサポーターが日本からも声援を送ることとなる。
【動画】いざアジアの頂点へ!今季の浦和を振り返り!