日本代表のMF守田英正(スポルティングCP)が、チュニジア代表戦を振り返った。
17日、キリンチャレンジカップ2023で日本はチュニジアとノエビアスタジアム神戸で対戦した。
2022年6月には0-3で敗れた相手。1年越しのリベンジを目指した中で、日本は[4-2-3-1]のシステムで臨み、守田はボランチの一角で先発フル出場を果たした。
MF遠藤航(リバプール)とダブルボランチでスタートした守田。攻撃時には前に行く姿勢を見せると、守備では局面に寄せてボール奪取。攻守に躍動した。
先制点のシーンでは細かいテクニックも見せ相手をかわして起点となるなどした中で、2-0の勝利に貢献。チュニジアに苦しみながらもしっかりと勝利を収めたことを語った。
「(相手が)堅かったですし、奪いにくる時は結構来ていたので、ちょっとどのタイミングで前に行くのに時間がかかってしまい、良い形で点が取れたので、相手が引いてしまいました。あれがなければ前半は手応えが薄かったかなと思います」
「斜めに効果的にパスが入った時に相手が嫌がっていたのですが、それを自ら作り出せなかったです。得点の時は良い形が出ました。アジアのチーム相手にも上手く連係を見せてやれると思います」
チュニジアがブロックを作ってきた中で、なかなか攻撃の形を作れなかったというが、11月から始まる北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選では似たような状況が頻発するはずだ。
良いテストにもなったという守田だがチュニジアも良かったとのこと。トップ下に入ったMF久保建英(レアル・ソシエダ)との関係で良い形が作れたとした。
「相手は良かったと思います。途中でタケ(久保建英)が落ち切らずに少しスペースを開けるためにちょっと落ちてきたので僕は上がれましたし、トミ(冨安健洋)と(板倉)滉がボールを持ててタメを作れたのは良かったんですけど、自分と(遠藤)航が真ん中にいすぎて動きが出なかったので、僕が1つ前に入ることは結構意識していました。ただ、それ止まりで、そこからの連係はあまりなかったです」
「右に入った時に(菅原)由勢から斜めのボールだったり、タケが降りてきて相手がついてきてスペースが空いて入るみたいな形は途中から意図的に、特に後半にはできました」
チーム全体として見せたプレーと意図があまり合わなかったという立ち上がり。徐々に改善されたが、その理由については「選手の質で上回った程度だと思います」とコメント。大きな改善があったわけではないとしながらも「相手の弱点を見つけて選手同士でピッチ内で解決する力がありますし、ズルズル時間だけ使って何も生まれないということは以前と違って無くなってきていると思います」と、修正力も身にはついているとした。
また久保については「僕はフルでタケの恩恵を受けたと思っていますし、僕自身もあいつに良い影響を与えられたと思うので、攻撃にアクセントをつけられたと思います」とコメント。2人の関係はこの試合で非常によく、手応えを感じているようだ。
その守田だが、6連勝するチームでありながらも問題点があると指摘。それは先制した後のパフォーマンスだという。
「点を取ると5-4でブロックを組みすぎる癖があるなと。ボールを持つことを怖がったり、逃げ始めるかなと」
「(カタールW杯の)クロアチア戦で1点を取って先制して、そこから保身的になって、ポジショニングも後ろになって、やられはしないけど、ボールを動かせる配置にならなくて、次誰が出ていくというところまでいけていなかったです」
「先制した時にそういった傾向がこのチームにあるのかなと思っています。キツい時間は仕方ないですけど、保身的な考えで一回守備から入ろうというのは個人的には好きではないです」
一息つきたい気持ちも分かるとしながらも、高いレベルで勝ち続けていくには良くない傾向だと見解を述べた守田。「選手のプレー選択の問題」と言いながらも、アグレッシブに、押し込み続けることを選択した方が良いだろうと提言した。
またそれは最終ラインの安定感も影響しているという。冨安健洋(アーセナル)、板倉滉(ボルシアMG)のセンターバックコンビを中心とした守備陣は安定感抜群。この試合もシュートはわずか1本と封じ込めた。
9月はドイツ代表を抑えた2人だが、守田は2人について「4枚でも、相手が5枚を並んでいてもスライドが間に合うだけのタイミングの計り方だったり、ハイラインで身体能力を活かしたり。今日もスライドでだいぶ長い距離を走って、スペースもさらされていましたけど、質で上回ったりしました」と評価。「やっぱりありがたいですし、負けると思えばボランチはカバーが必要になるので、そうなると前に行けずにすぐに後ろに下がる現象が起こります。前にも強いですし、常に声をかけてくれるので、頼もしいです」と、感謝の気持ちを述べつつ、だからこそ前に行くべきだという考えのようだ。
【動画】守田英正の巧みなテクニックでのかわしが起点となり先制点