ドーピング違反で2年間の出場停止を受けたモンツァのアルゼンチン代表MFパプ・ゴメスが声明を発表した。
パプ・ゴメスはアルゼンチン代表として、カタール・ワールドカップ(W杯)の優勝を経験。クラブキャリアでは、長年アタランタで中心選手として活躍すると、2021年1月からセビージャでプレー。今年9月にセビージャを退団すると、9月29日にモンツァに加入していた。
しかし、新天地に加入してから3週間に激震が。世界アンチ・ドーピング機関(WADA)がドーピング違反により、2年間の出場停止処分を科すこととなった。
セビージャ在籍時代に行われたドーピング検査であり、カタールW杯の前に陽性であることは判明していたが、正式に処分が決定した。
パプ・ゴメスは自身のSNSを通じて公式声明を発表。自身のドーピング違反は誤って息子の咳止めシロップを口にしたせいだとし、上訴することを発表した。
ーーーーーー
1) 僕はスペインのアンチ・ドーピング委員会から資格を2年間停止するという通知を受けたことを確認しました
2) 僕は常にすべてのルールを厳しく尊重するだけでなく、クリーンなスポーツとスポーツ行動の強力な擁護者として立ち上がって、あらゆる形態のドーピングを断固として非難しました
3) 僕は禁止された行為に手を出したことはありませんし、そうするつもりもありません
4) 推定違反は、僕の体内にテルブタリンが存在することに起因しており、僕が息子の咳を和らげるためにスプーン一杯の咳止めシロップと一緒に誤って摂取してしまいました。 テルブタリンはプロスポーツ選手に許可されており、サッカーのパフォーマンスを向上させるものでは決してないことを明記することが重要です
5) 状況には立ち入らず、懲戒事件が規範に従って扱われていないという指摘を調査するよう弁護士に依頼しました
6) 最後に、僕の職業生活の困難な時期に僕に愛情とサポートを示してくれたすべての人々に感謝したいと思います
ーーーーーー
「テルブタリン」とは、速効性の交感神経β2受容体作動薬の一つで、商品名は「ブリカニール」として知られている。日本では経口剤および皮下注射剤が販売されているものの、海外では喘息の「リリーバー」として吸入剤でも用いられている。アスリートなどは、事前に治療的吸入使用の許可が必要であり、それがなければドーピング違反となる。
パプ・ゴメスはパフォーマンス向上の物質ではないこと、また意図した禁止薬物の摂取ではないと訴えているが、禁止薬物のリストにあることは事実。果たしてどのような判断がなされるのか注目が集まる。
【写真】パプ・ゴメスがドーピング違反の判決を受けて声明