日本代表のMF伊東純也(スタッド・ランス)が、アジアカップ2023のベトナム代表戦を振り返った。
14日、アジアカップ2023のグループD初戦で日本はベトナムと対戦した。2011年以来の3大会ぶり5度目の優勝を目指す日本。対戦相手は、2000年に日本代表を率いてアジアカップを制したこともあるフィリップ・トルシエ監督が指揮するベトナムだった。
力の差がある中で11分に南野拓実のゴールで日本が先制。波に乗っていくのかと思われたが、16分にCKから失点すると、33分にはFKから失点。予想だにしなかった前半のうちに逆転されてしまう。
しかし、前半終盤に南野が2点目を決めて追いつくと、アディショナルタイムには中村敬斗が6試合連続ゴールとなるスーパーゴールで前半を逆転して折り返す。
後半はペースを取り戻した日本がしっかりとゲームコントロール。ベトナムにほとんど攻撃をさせずに主導権を握ると、85分に途中出場の堂安律、久保建英と繋いで最後は同じく途中出場の上田綺世がゴール。終わってみれば4-2で日本が白星スタートとなった。
前半は右サイドでプレーし、後半は堂安が入って以降は左サイドでプレーした伊東。試合を振り返り、勝てたことは良かったが、ベトナムの戦い方にハマらず、セットプレーも反省が必要だとした。
「良い形で得点できたんですけど、セットプレーで2失点してしまって、相手がポゼッションに人数かけて後ろで回されて、うまくハマらなくて焦れてしまったっていうのはあります」
「しっかり(南野)拓実と(中村)敬斗がとって、最後(上田)綺世がとって、結果的に4-2で勝てて良かったと思いますけど、こういう相手にはセットプレーが大事だと思いますし、相手はそこに賭けてくると思うので、しっかり修正しないといけないと思います」
前半は先制してからなかなか普段のような攻撃ができていなかった日本。「スペースがないとは感じなかったです。ただ、上手くサイドで受けられなかったというのはあります」と語った伊東は、よりシンプルに攻撃を仕掛けたかったとした。
「もっと(板倉)滉に出してとは後で言いましたが、何回か出してもらって良い場面はあったので、そういうところでシンプルにサイドを使っていけば、もっと上手く崩せる自信はありました」
「もっとボールを受けて、(菅原)由勢と何回かワンツーだったりで崩せましたし、もっと多く作らないといけないなと思います」
それはラインの裏へのボールも少なかったことも1つの課題に。伊東や細谷真大が裏を狙っても、ボールが出てこなかったが「シンプルに裏を取ろうというのは、相手のラインが高いことも試合前からわかっていてやろうと言ってたんですけど、出てこなかったです」とコメント。「ボランチもそうですが、センターバックからもっと蹴っても良かったのかなと。普通にシンプルに蹴るだけになってたかなと思います」とし、効果的なフィードが後方から少なかったと振り返った。
また守備についても、前半はベトナムにポゼッションされてしまう展開となったが、「相手が前の1枚以外全員下がってポゼッションに参加する形だったので、あそこまで人数かけられると上手くハメるのは難しかったっていうのが正直なところです」とコメント。「ただ、それでももっと押し出して、前からハメなければいけなかったと思います」と、相手の策にやられたと振り返り、それでも対応すべきだったと語った。
一方で、リードを最後に奪って迎えた後半については「リードしていたので、そんなに前から行かなくても相手が焦れるだけなので、上手くブロック作りながら行けるところで行くというのがハマったと思います」と改善したように見えた点を分析。「同点だったり、負けてる時はどうしても前から行かないといけないので、その時に相手が後ろに人数かけてうまくポゼッションして、ハマらなかったなという印象です」と、引かれてポゼッションされた時に奪いに行くのは難しいと語った。
【動画】日本代表、ヒヤリとした前半も力を見せつけ逆転勝利