ヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16の2ndレグが14日に開催される。ELグループステージ首位通過8チームと、プレーオフ通過8チームで争われるラウンド16第2戦の展望を、注目カードを中心に紹介していく。
◆ラウンド16 2ndレグ
▽3/14(木)
《26:45》
ビジャレアル vs(AGG:0-4) マルセイユ
レンジャーズ vs(AGG:2-2) ベンフィカ
ウェストハム vs(AGG:0-1) フライブルク
スラビア・プラハ vs(AGG:2-4) ミラン
《29:00》
リバプール vs(AGG:5-1) スパルタ・プラハ
ブライトン vs(AGG:0-4) ローマ
アタランタ vs(AGG:1-1) スポルティングCP
レバークーゼン vs(AGG:2-2) カラバフ
◆堂安が痺れる大一番へ…遠藤は温存の可能性も?
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今ラウンドにはMF遠藤航、MF守田英正、MF三笘薫、MF堂安律、GK小久保玲央ブライアンと5人の日本人選手が参戦する。なお、三笘は腰のケガで長期離脱中だ。
堂安のフライブルクはウェストハムとのホームでの初戦を、途中出場のFWグレゴリッチュのゴールによって1-0で先勝。また、スタメン出場の堂安は右サイドで得意の仕掛けからのチャンスメークに献身的な守備と攻守両面で良いパフォーマンスを見せた。
難所ロンドン・スタジアムで逃げ切りを図る一戦に向けては直近のボーフム戦で2-1の勝利を飾り、良い状態で敵地に乗り込めるはずだ。堂安も見事なクロスから1アシストを記録しており、引き続き好調を維持している。一方、対戦相手のウェストハムは直近のバーンリー戦で2点ビハインドから後半終盤のゴールで劇的ドローに持ち込んだが、試合の入りの部分で隙を見せており、アウェイチームとしてはアグレッシブな入りで主導権を掴みたいところだ。
守田の所属するスポルティングCPは、アタランタとの1stレグを1-1のドローで終えた。オープンな展開となった前半にFWパウリーニョのゴールで先制も、前半終盤にFWスカマッカに同点ゴールを許す。守勢を強いられた後半は厳しい戦いを強いられたが、GKイスマイルら守備陣の好守によって何とかドローに持ち込んだ。
敵地ベルガモでの勝利が突破の絶対条件となる中、直近のリーグ戦ではアロウカ相手に追加点を挙げられずに苦戦したものの、最終的に3-0で勝利。主力のプレータイムをコントロールしつつ弾みを付ける白星を獲得した。初戦では守備面のハードワークが光った守田だが、この試合では残念ながら体調不良の影響によって土壇場で遠征メンバー外に。相手の司令塔MFコープマイネルス、中盤のダイナモであるMFエデルソン相手との重要な局地戦は代役を担うコインドレディ、ヒュルマンドらの奮闘が必須だ。
遠藤を擁するリバプールは、スパルタ・プラハとの敵地での初戦に5-1で圧勝。今回の2ndレグを前にベスト8進出をほぼ確実なものとした。相手の球際の強さ、推進力に手を焼いたが、GKケレハーの再三の好守で易々とゴールを許さず。逆に、2ゴールを挙げたFWヌニェスを筆頭に自慢のアタッカー陣が見事な決定力を発揮し、試合内容を鑑みれば望外の4点差を付けた。
先週末にはマンチェスター・シティとのプレミアリーグ首位攻防戦を戦い、今週末にはFAカップ準々決勝でマンチェスター・ユナイテッドとのビッグマッチを控えており、今回の一戦では主力をベンチに控えさせつつ若手や控え中心のスカッドでの戦いが見込まれる。そのため、シティ戦で出色のパフォーマンスを見せた遠藤やFWルイス・ディアスらをベンチに置き、MFクラークやMFマコーネル、FWクーマスら若手に出番が与えられそうだ。
三笘不在のブライトンは難所オリンピコで行われたローマとの初戦でまさかの0-4の惨敗。逆転でのベスト8進出は非常に厳しい状況だ。ボール保持やチャンスクリエイトの部分ではそこまで大きな差はなかったが、FWディバラとFWルカクの圧倒的な個の力、勝負所でのアラートさを欠いたことで大量失点を喫することになった。直近のノッティンガム・フォレスト戦を1-0で勝利し、公式戦5試合ぶりの白星を手にしたが、逆転突破へ最低5点が必要な今回のリターンレグに向けて攻撃面の改善はあまり窺えず。
一方、デ・ゼルビ監督との友人対決に先勝したデ・ロッシ監督率いるローマは、直近のフィオレンティーナ戦を2-2のドローで終えた。指揮官が誤りを認めた[3-5-2]の布陣でのスタートが影響し、勝ち点を取りこぼす形となったが、GKスヴィラールのPKストップからDFジョレンテの土壇場弾でのドローと流れは悪くない。ただ、今回の一戦に向けてはコンディションに問題を抱えるFWルカクが遠征メンバーを外れ、FWディバラらをベンチに置いて臨む可能性が高く、代役を担うFWアズムンやMFバルダンツィら前線の選手が相手守備に脅威を与えられずにいると、防戦一方を強いられての悪夢の逆転負けも想定できるだけに気を引き締めて臨みたい。
小久保のベンフィカはレンジャーズとのホームでの初戦を2-2のドローで終え、難所アイブロックスでの勝利で突破を目指す。初戦はボール保持率、シュート数で完全に相手を圧倒したが、粘り強い相手の守備に手を焼いてMFディ・マリアと相手のオウンゴールによる2点にとどまると、効率良い相手の攻撃に屈して先勝を逃した。それでも、直近のエストリル・プライア戦は相手をしっかりと圧倒した末に3-1の勝利。公式戦3試合ぶりの白星を収め、良い形で敵地へ乗り込む。
◆薄氷ドローのレバークーゼン、余裕を持って逃げ切り図るミラン
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日本選手所属クラブ以外では今季未だ無敗を継続するレバークーゼン、優勝候補ミランの戦いに注目が集まる。
アゼルバイジャン王者カラバフとの再戦となったレバークーゼンは、敵地とは言えども危なげなく勝ち切ることが想定されたが、思わぬ大苦戦を強いられた。低調な前半に2ゴールを奪われると、慌てて主力を投入した後半に何とか流れを引き寄せてMFヴィルツと後半アディショナルタイムにFWシックが決めたゴールによって薄氷の2-2のドロー。何とか今季の公式戦初黒星を回避した。
ただ、この試合を教訓に週末のヴォルフスブルク戦に気を引き締めて臨んだ結果、前半半ばに退場者を出した相手に対して、MFテラ、ヴィルツの2ゴールによって余裕を持っての2-0の完勝。きっちり白星を取り戻してホーム開催のリターンレグに弾みを付けている。
一方、曲者スラビア・プラハとのホームでの初戦に臨んだミランは前半退場者を出した相手に2点を奪われる拙い試合運びになったものの、最終的に突き放して4-2のスコアで先勝。また、週末のエンポリ戦では追加点を奪うのに苦戦したものの、主力のプレータイムをコントロールしながら好調のFWプリシックのゴールを守り切ってウノゼロ勝利。リーグ戦で2位に浮上して今回のリターンレグに臨むことになった。初戦では相手の強度の高いマンツーマン守備に手を焼いており、その部分の修正がしっかりとできれば、余裕を持っての逃げ切りは十分に可能だ。
マルセリーノ監督の古巣対決に注目が集まったビジャレアルとマルセイユの名門対決は、マルセイユがFWオーバメヤンの2ゴールの活躍などで4-0の先勝。ビジャレアルホームで行われる2ndレグを前に決着を付けた印象だ。ここからの逆転は厳しいと言わざるを得ないが、マルセリーノ監督としては因縁の古巣相手に意地を見せたいところだ。