ラ・リーガ第29節、アトレティコ・マドリーvsバルセロナが、日本時間17日29:00にシビタス・メトロポリターノでキックオフされる。トップ4死守を目指すコルチョネロスと、2位浮上と共にわずかに残される逆転での連覇へ勝ち続けるしかないブラウグラナによる、重要な上位対決だ。
第28節終了時点で4位のアトレティコ(勝ち点55)は前節、敵地で格下カディス相手に0-2の惨敗。攻守両面で精彩を欠く脆弱なパフォーマンスによって降格圏の相手に24試合ぶりとなる今季3勝目を献上する体たらくとなった。だが、より重要度が高かったチャンピオンズリーグ(CL)では0-1で1stレグを終えていた中、ホームで戦った2ndレグで公式戦13連勝中と圧巻のフォームを継続していたセリエA首位快走のインテルをPK戦の末に撃破。逆転でのベスト8進出を成し遂げた。
先制を許す厳しい展開ながらも負傷明けのグリーズマンの同点ゴール、途中投入のデパイの後半終盤のゴールで逆転して延長戦、PK戦に持ち込むと、守護神オブラクの2つの決定的なPKストップによってネッラズーリを撃破。指揮官シメオネも試合直後に思わず涙を浮かべるエモーショナルな勝ち上がりとなった。今回の大一番へ現状のリーグ戦での調子、コンディションでのディスアドバンテージを考えれば、インテル戦同様の厳しい戦いが予想されるが、今季の公式戦21試合で19勝1分け1敗の要塞メトロポリターノで再びの歓喜を味わいたい。
一方、3位のバルセロナ(勝ち点61)は前節、マジョルカとのホームゲームをラミン・ヤマルのスーペルゴラッソによってウノセロ勝利。ギュンドアンのPK失敗など最後の仕上げで苦戦したが、見事に勝ち切った。さらに、敵地での1stレグを1-1のドローで終えていたCLのナポリ戦ではフェルミン・ロペスの先制点を皮切りに、カンセロ、レヴァンドフスキが決めたゴールによって3-1の勝利。難敵撃破で4季ぶりの8強進出を決めた。
アトレティコはメトロポリターノでの今季リーグ戦で13勝1分けの無敗を継続しており、難攻不落の要塞攻略は至難の業と言えるが、直近でそのコルチョネロスに土を付けたのは、他でもないチャビのチーム。2023年1月に行われた前回対戦でウノセロ勝利を収めている。さらに、同監督の下ではフェリックスのゴールで同じくウノセロ勝利を収めた昨年12月のホームでの前回対戦を含め4戦全勝中だ。そのため、日程面のアドバンテージ含め精神的な余裕を持って戦うことができるはずだ。
◆アトレティコ◆
【3-5-2】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:オブラク
DF:ヴィツェル、ガブリエウ、ヘイニウド
MF:ジョレンテ、デ・パウル、コケ、バリオス、リーノ
FW:モラタ、グリーズマン
負傷者:DFエルモソ、ヒメネス、MFレマル
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関してはヒメネス、レマルに加え、直近で負傷したエルモソが欠場となる。
スタメンはインテル戦をベースにサビッチとエルモソに代わってガブリエウ、ヘイニウド、モリーナに代わってバリオスを起用し、ジョレンテを右ウイングバックに配置するとみる。その他では主力のコンディション次第でデパイ、サウール、アスピリクエタ辺りにスタメンの可能性がありそうだ。
◆バルセロナ◆
【4-3-3】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:テア・シュテーゲン
DF:クンデ、アラウホ、クバルシ、カンセロ
MF:フェルミン・ロペス、クリステンセン、ギュンドアン
FW:ラミン・ヤマル、レヴァンドフスキ、ハフィーニャ
負傷者:DFバルデ、MFペドリ、フレンキー・デ・ヨング、ガビ
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては中盤の主力3選手が不在となるが、負傷明けのマルコス・アロンソ、フェラン・トーレスの2選手が久々にメンバー入りする見込みだ。
スタメンはナポリ戦のメンバー継続が濃厚だが、イニゴ・マルティネスや前回対戦で決勝戦を挙げ、メトロポリターノ初帰還となるフェリックス起用の可能性も考えられる。
★注目選手
◆アトレティコ:FWメンフィス・デパイ
Getty Images
古巣相手にインテル戦同様の輝き放てるか。CLの激闘から中3日でのビッグマッチはアトレティコにとって総力戦となるが、その中で攻撃面のキーマンは30歳のオランダ代表FWだ。今季はモラタとグリーズマンの鉄板コンビの好調もあって前線の3番手を担うが、ここまで公式戦26試合9ゴール2アシストと短い出場時間の中できっちり結果を残している。
とりわけ、直近のインテル戦では前述の重要な後半終盤のゴールだけでなくアンヘル・コレアと共に切れ味抜群の仕掛けやアタッキングサードでの質の高いプレーで堅守インテルに脅威を与え続け、PK戦では1番手として流れを引き寄せる強烈な一撃を決めていた。
自身2度目の古巣対戦では先発、途中出場のいずれの起用法も想定されるが、再びインテル戦のようなパフォーマンスを披露できれば、バルセロナの守備陣に脅威を与える存在となれるはずだ。リヨン時代を含め3度の対戦では未勝利且つ目に見える結果を残せていないが、今回の一戦で強烈な恩返しをかましたい。
◆バルセロナ:DFパウ・クバルシ
Getty Images
17歳の超新星がラ・リーガ初のビッグマッチに挑む。今年1月に行われたコパ・デル・レイでのファーストチームデビュー以降、瞬く間に世界屈指の名門のディフェンスラインで定位置を確保した184cmの新進気鋭のセンターバック。指揮官チャビが「ラミン(・ヤマル)と同じように、一時代を築くことになるだろう」と称賛するクレバーなDFは、傑出した足元の技術、戦術眼、パスセンスを武器に、ジェラール・ピケを彷彿とさせる司令塔型のセンターバックとして早くも破格の才能を示す。
CLデビューとなったナポリ戦でいきなりのMOTMに輝くと、今回のインターナショナルマッチウィークではラ・ロハに初招集。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
とはいえ、ファーストチームでの経験はまだ12試合で、ビジャレアル戦、グラナダ戦ではまだまだ改善の余地が多くある守備面でほろ苦い経験もしており、過度な期待は禁物だ。
それでも、ビルドアップの精度や攻撃時の判断はすでにラ・リーガでもトップレベルにあることは間違いなく、守備面を含めて重要な試金石となる今回のビッグマッチでのパフォーマンスに大きな注目が集まる。数日後にはラ・ロハで共にプレーするモラタ、世界屈指の万能アタッカーであるグリーズマンら強力な相手アタッカー陣に対して、どこまで戦えるか…。