★「困難を極めた」OAや海外組招集について山本昌邦NTDが言及、ポジティブな変化「そういう時代になったという日本サッカーの明るさ」

3日、日本サッカー協会(JFA)はパリ・オリンピックに臨むU-23日本代表メンバー18名とバックアップメンバー4名を発表した。

8大会連続12回目の五輪出場となった日本。

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3日、日本サッカー協会(JFA)はパリ・オリンピックに臨むU-23日本代表メンバー18名とバックアップメンバー4名を発表した。

8大会連続12回目の五輪出場となった日本。出場権を懸けて戦ったAFC U23アジアカップでは、見事に優勝を果たし、アジア王者としてオリンピックに参加する。

18名のメンバーには、北京オリンピック以来となるオーバーエイジ枠を使わなかった他、これまでチームのメンバーとして招集され続けていたGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)やMF松木玖生(FC東京)らが招集外に。また、MF久保建英(レアル・ソシエダ)やMF鈴木唯人(ブレンビー)など、海外でプレーする五輪世代の選手も招集されなかった。

これまでの招集に拘束力がない状況で、海外クラブとの交渉に苦しんでいた日本。ナショナルチーム・ダイレクター(NTD)の山本昌邦氏は、これまでの苦労を語り、日本サッカーの世界の中での立ち位置の変化の賜物だと語った。

「いよいよメキシコ・オリンピック以来28年間、オリンピックにすら出られなかったオリンピック代表が、28年連続で出場することとなりました。そして、節目の大会になると思います」

「海外でプレーする選手もこれだけ増えました。そんな中で、18人のメンバー、バックアップの4人、このメンバーでオリンピックのメダルに挑むことになります。ぜひ皆さんのお力をお借りして、目標がしっかり達成できるようにできればと思います」

「招集の面で様々な苦労がありましたが、これは日本サッカーの進化であり、成長であり、躍進の賜物だと思っております。選ばれたメンバーで、限りなく高いところを、大岩監督を中心に挑んでくれると思いますので、ご支援・ご協力いただければと思います。この大会で日本サッカーの進化を世界に証明したいと思います」

招集された18名のうち、海外組は6名。オーバーエイジ(OA)も候補として名前が挙がっていた選手は海外でプレーしており、交渉が難航したこととなる。

山本氏はOAの選手がいないことについても状況を説明。「非常に未来に向かって重要なご質問だと思います。OAに関して、現場からの希望は当然ありました。1年以上かけて海外組の調整というのは進めてまいりました」と、招集の意思はあったとコメント。「選手の意志、そしてクラブの了承も得られなければいけない。移籍が関わってくると、現クラブと、移籍先のクラブの確認を取らなければいけない。様々な要因が絡まって、日々この時期ヨーロッパのマーケットが動いていますので、選手の移籍先、状況、移籍先が決まらなければ交渉すらできない状況です」と、クラブが新シーズンに向けて始動する中で、それぞれの選手の立ち位置、そして移籍の可能性がある選手の招集の難しさを語った。

また、「(所属クラブの)監督が代われば、選手の立ち位置も変わっていく中で、オリンピックの期間の了承、登録が7月のこのタイミングということで、先を予測してその交渉をするということは困難を極めました」と、およそ1カ月程度前にメンバーを決める難しさもあったとした。

加えて、五輪世代ながらも海外でプレーする選手として招集できなかったメンバーについても言及。「OAに関わらず、A代表で活躍する久保建英、鈴木唯人、鈴木彩艶の海外組の選手たちも招集が叶いませんでした」と語り、「ヨーロッパオフィスを抱えており、日々クラブと連絡を取りながら、関係者を含めて昨日まで努力したつもりですが、そういう選手たちがチームにおいてとてつもなく大きな存在で、必要とされているからこそ、こういう困難な状況になっているのだろうと思います」と、新シーズンを戦うクラブが選手をチームに留めておきたいと考えていることが、これまでとの大きな変化だとした。

「選手たちの成長、躍進。こういったものがなくても勝てるという底上げを考えていきたいですし、このメンバーでメダルをどう狙うのか、そういうお話がしかりとできれば、この後のワールドカップ予選に何人上がって行ってもらえるのか。それが日本の未来ですし、パリ五輪での6試合の経験値があった人が、素晴らしい成長を遂げてくれることを期待しております」

「海外組というところでいうと、前回の東京五輪では、U-23日本代表で7人の海外組がおりました。今回は6人の海外組がいます。この後オリンピックまでに何人かが海外に移籍するかもしれません。大岩監督が選んだ選手たちは伸び代はあると思いますし、日本の未来の成長に必ず力になってもらえると確信しています」と、今後選手の招集に関してはより一層難しくなるものの、選手たちにはさらに成長し、羽ばたいて行ってもらいたいと期待を口にした。

JFAとしての立場としては「今後世界のクラブとどうコミュニケーションをとって選手を招集できるのか。これは五輪だけでなく、U-20の世代でも同じことが起きています。そういう時代になったという日本サッカーの明るさだ捉えております」と、日本がより重要な存在になっていくために必要なことだとも語った。

バックアップメンバーの4名に関しては、18名の中で体調不良やケガなどがあった場合に入れ替えるとのこと。ただ、そのルールも二転三転し、候補になる選手は100名以上いるとした。

「基本的にはこの4人の中から18人にケガ、体調不良があった時に差し替えることができます。初戦の24時間前までには、4人のバックメンバーに何かがあった場合、ラージのグループから入ります」

「ラージリストが50人という情報が出ていましたが、50人ではありません。ルールが変わりまして、元々5月下旬に50人のラージリストを出す予定にされていましたが、5月21日にFIFA(国際サッカー連盟)から100人にしますということが来て、我々としては増えるので歓迎しますが、さらにその後に100人も撤廃され、事実上100人以上の2月に登録した膨大な量の選手全員に可能性があります」

「ただ、選ばれた18名は、ケガや体調不良など以外は、差し替えは認められないため、18人で戦うことになります」と、移籍などの理由での18名のメンバーの変更は認められていないと語った。





2024年7月3日(水)16:05

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