★広島に今季3戦全敗も東京Vが得た“悔しさ”という収穫「やれたからこそ、この悔しさは我々が一番よくわかる…」

サンフレッチェ広島に“三度目の正直”での勝利を逃した東京ヴェルディだが、“悔しさ”という収穫を得た。

東京Vは7日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第25節で広島と対戦し、0-1で敗戦した。

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サンフレッチェ広島に“三度目の正直”での勝利を逃した東京ヴェルディだが、“悔しさ”という収穫を得た。

東京Vは7日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第25節で広島と対戦し、0-1で敗戦した。

中断明け初戦は城福浩監督の古巣であり、今シーズンのルヴァンカップ(2-3●)、アウェイでの前回対戦(1-4●)でいずれも大量失点を喫した因縁の相手との対戦となった。

雷の影響で前半20分過ぎに試合中断となり、約1時間半の中断を経て再開された異例の形となった一戦。前半は互いに自分たちの時間帯を作ったものの、集中した相手の守備を前に決め手を欠く場面が目立ってゴールレスで終了した。

後半は前半終盤からのいい流れを継続した広島が攻守両面で圧倒したが、守護神マテウスの好守などで守勢を凌いだ東京Vは60分を過ぎた辺りから相手のプレス強度低下を突いて反撃に。65分過ぎにはMF齋藤功佑、FW染野唯月、MF松村優太と続けて決定機を作り、ゴールの匂いを感じさせた。

しかし、78分には前回対戦でも2失点を喫して警戒していたセットプレーからDF佐々木翔に先制点を献上。以降は攻撃的なカードを続けて切って、途中出場のMF森田晃樹、MF新井悠太、FW山田剛綺らがフィニッシュに絡んだが、日本代表GK大迫敬介の牙城を最後まで破れず。0-1の惜敗で今季の広島戦を3戦全敗で終えることになった。

2度の対戦で苦しめられたMF川村拓夢(現ザルツブルク)、FW大橋祐紀(現ブラックバーン)、FWピエロス・ソティリウの不在による対戦相手の戦力低下による僅差での敗戦という見方ももちろんあるが、東京Vが前回対戦からの約2カ月で確実に成長を遂げたという見方が適当だと言えるだろう。

控え中心のスカッドで戦ったルヴァンカップでは2-3というスコアで終わったことが不思議なぐらいの実力差を見せつけられ、リーグ前回対戦も間違いなく力の差が1-4というスコアに反映されていた。

しかし、今回の試合では3戦目で初めて無得点に終わったものの、球際の勝負では互角に渡り合い、相手の圧力に屈して苦し紛れのロングボールに終始した2試合とは異なり、ボール保持率では相手を下回るも、前後半にしっかりとボールを前進させながら押し込んで“決定力の差”という表現を使えるだけのチャンスを作り出した。

試合後にキャプテンの森田が語った「ゲームはヴェルディだったと思いますし、あとは本当に点を決めるか、決めないかというところ」という感想も決して的外れなものではない。

古巣相手の3連敗に悔しさを噛み殺しながら会見に出席した城福監督も、「勝ち点0なので、やれた感があるという言葉を出すのも悔しい」と前置きしながらも、「いま我々がやろうとしていること、やるべきことを選手は出そうとしてくれましたし、攻撃は最大の防御というなかでボールを持って前に進むという意志は示せた」と敗戦のなかでもチームの戦いぶりを評価した。

また、潔く完敗を認めた以前の2試合とは異なり、今回の試合後に選手たちは“悔しさ”を口々に語り、その反応こそがこの2カ月間のチームの歩みの正しさを証明しているはずだ。

齋藤は難しい時間帯で耐え切り、自分たちの時間帯で喫した失点に対して「めちゃくちゃ悔しい。正直、ちょっとやられてもおかしくない雰囲気がある時間帯はありましたけど、そこで耐えられていたので、決め切って自分たちの流れに持っていきたかったという部分もそうですし、ああいうシーンであの1点が勝敗を決めてしまうというのを肝に銘じて、次に生かしていきたい」と無念さを露わにした。

一方で、「自分たちとしても積み上げられている部分もありますし、守備のところは継続しながら、攻撃の部分でもしっかりと保持して連動して動きながら、前進して決定機を作るというシーンも増えてきた」、「押し込めるようになると、自分があそこ(ボックス内)まで入っていけるシーンが増える。それは今までなかったですけど、うまくいくようになったからこそ、できたシーンというか、出てきた課題」と、自身を含め決め切る部分の改善を訴えながらも、チームの成長への手応えを口にした。

古巣対戦となったDF宮原和也も「相手の決定的なシーンは2つぐらいで、自分たちもうまく守れていましたが、結果として負けたので、やっぱりこういう試合はセットプレーひとつで決まると思うので本当に悔しい」と、チームとしていい戦いができていたという手ごたえがあったゆえの悔しさを滲ませた。

なお、試合後に城福監督はベンチ前で円陣を組み、選手たちにこう語って奮起を促している。

「(シーズン)ダブルを食らって、しかもアウェイのサポーターに歌を歌われるというのがどれだけ悔しいかは、よく聞いとけと。自分たちがやれたからこそ、この悔しさというのは我々が一番よくわかるし、結果しかないんだと」

すでにルヴァンカップ、天皇杯で敗退し、リーグ2度の対戦を終えたことで今季の広島へのリベンジの機会は潰えており、来季にリベンジの機会を得るにはJ1残留が必須。そのために中3日で臨む次節の名古屋グランパス戦ではしっかりとリバウンドメンタリティを示し、残留に向けて勝ち点3を積み上げたいところだ。

2024年8月8日(木)9:10

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