★森保一監督、9名変更のスタメン組は「全てのことを評価するのは難しい」、今後は「選手の幅を広げる、底上げをする」

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日本代表の森保一監督が、ベトナム代表戦を振り返った。

29日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本代表vsベトナム代表が行われ、1-1のドローに終わった。

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日本代表の森保一監督が、ベトナム代表戦を振り返った。

29日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本代表vsベトナム代表が行われ、1-1のドローに終わった。

W杯出場を決めている日本は、オーストラリア戦から9名を変更。なかなか出場機会を得られていなかった選手たちをピッチに送ると、連係面でなかなか上手くいかず。するとCKからゴールを奪われ、先に失点する。

後半に入り、選手のシステムを変更すると、徐々に日本が押し込む展開に。すると、パスカットで持ち出した吉田麻也が、原口元気のシュートのこぼれ球を詰めて同点に追いついた。

その後、日本は田中碧がネットを揺らすも、直前のプレーで南野拓実がハンドを取られてノーゴールに。さらに上田綺世もネットを揺らすが、これは田中がオフサイドを取られてゴールが認められず、1-1の引き分けに終わった。

試合後の記者会見に臨んだ森保監督は、出場機会が少ない選手たちを起用した感想について「練習から選手たちは非常に意欲的に試合に向けて準備してくれていました。試合の中でも自分の良さを発揮するという部分、チームの中での競争という部分でも、積極的にプレーしてくれていましたが、なかなかお互いのプレーのイメージを合わせることができなかったということで、難しい状況が続いたと思います」と振り返り、「後半に入っていわゆるこれまでスタートで出ていた出場時間が長かった選手たちは、試合の中で違いというのは見せてくれたと思います」と、何度も試合を行っている選手たちはその差を見せたとした。

ただ「なかなか練習時間が短い中、全てのことを評価するのは難しいと思います。まずは選手たちの姿勢の部分でやってやろうという気持ちでしっかり準備してくれたことを見てあげたいと思います」とコメント。自分たちが持っているものを出そうとした点を評価した。

失点シーンについては「マークの整理自体は問題なかったと思いますが、相手が我々がマークに付きづらい陣形を組んできていたので、その分では彼らのデザインされたものを出してきたと思います。対応能力という部分で、反省を生かしてマークを外すことなくついていく対策をしなければいけないと思います」とコメント。相手の形に対応できなかったと振り返った。

W杯でベスト8に入るための第一歩となった試合。この試合の教訓としては「まずはもっとチーム全体として誰が出ても相手に隙を突かれないように、やろうとすることをよりスムーズに発揮できるように、選手層を広げなければいけないと思いました」とコメント。「スタートで出た選手は最終予選では出場機会がない中、我慢強くチームのために活動し、頑張ってくれていましたが、そこでチームとして機能する部分においては、選手たちも難しい部分があったと思います」と語り、主軸以外のチームとしてのパフォーマンスレベルを上げる必要があるとした。

また「そこは私も含めてコーチングスタッフも準備する時間がなかったりという部分でも、選手たちが絵を合わせていけるように準備しなければいけないと思います」と指導面についても反省し、「6月から親善試合があるので、もう一度選手の幅を広げる、底上げをすることをしていきたいと思います」と、同じパフォーマンスができるチームづくりをしていきたいとした。

8カ月後にはW杯がスタートしている。この先については「先を見据えつつ、目の前の一戦一戦で勝利を目指して全力を尽くすということ。今回W杯の出場がオーストラリアで決まって、最善の準備をしたと思っていますが、まだまだ勝つために目の前の一戦に向けてやれることがあったと思うので、目標があったり、先があったりということで目の前の一戦に緩みが出ることがないように、自分自身、選手たち、チームにも働きかけていきたいです」とコメント。一歩ずつ、しっかりと向き合って本大会まで積み上げたいとした。

この先の活動での選手の発掘、入れ替えについては「新しい選手を入れるということありきではないですが、選手たちの日常をスタッフ全体でチェックをしながら、より力のある選手、状態の良い選手を選んでいきたいと思います」とコメント。「先日もそこで誤解が生まれてしまいましたが、今言ったようにクラブでの選手の様子を評価して、代表の招集に繋げるということと、総合的に見てこれまでの活動を踏まえてということで総合的な判断をしたいと思います」と、それぞれの場所で調子が良い選手を見極めて招集していくとした。

また「選手たちに改めて競争を煽るつもりはないですが、競争は当たり前の世界だと思うので、所属チームを勝たせる存在であって欲しいと思います」と語り、「選手だけでなく、私自身はW杯まで努力を怠っていけるということではないという覚悟を持ちます。これまで一戦一戦道が続くのか、途絶えるのかを覚悟を持って今後も取り組んでいきたいと思います」と、自身もしっかりとW杯でベスト8に入れるチーム作りをするために努力したいとした。

この試合、ハーフタイムでシステムを[4-3-3]から[4-2-3-1]に変更した。その点については「前半も特に悪いというか、システム上で何か問題があって上手くいっていないという風には捉えていませんでしたが、後半ダブルボランチにして[4-2-3-1]に変えた中で、バランス的に後ろを安定させて、サイド攻撃の右が伊東純也、左が三笘薫と起点になるところをボランチからサポートに行けるようにということで攻撃力を上げることを考えました」と狙いを語り、「(久保)建英は右サイドから中央に移って、間に入りながら攻撃に絡む、チャンスを作ってもらうことを考えて形を変えました」と、久保をトップ下に置いた理由も語った。

システム変更により徐々に押し込む時間が増え、守田英正、田中碧、南野拓実を入れたことでよりボールが回るようになった。

森保監督は指示について「指示はコーチも出してくれていますし、私からの部分では守から攻、右から左、左から右という部分で、ビルドアップでより多くプレーに絡むという部分を2人には求めながらも、攻撃の部分でも前線に絡んでいって欲しいというところをボランチの選手たちには伝えました」と語り、普段やり慣れたメンバーでは指示を上手く遂行できていたようだ。

2022年3月29日(火)23:10

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