およそ4年ぶりに日本代表に招集されたFW小川航基(NECナイメヘン)が、日本代表への思いと強い意気込みを語った。
19日、2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の北朝鮮代表戦に向けた連戦に向けトレーニングキャンプの2日目。初日は、12名が参加し、GK2名を含む7名しかグラウンドでトレーニングをしなかった中、2日目は13名がグラウンドに登場。非公開時には全選手が合流した。
コンディション調整がメインで、強度の高いトレーニングはしなかったが、2日後に控えた北朝鮮戦に向けて準備を進めた。
2019年12月のEAFF E-1サッカー選手権で初めて日本代表に選出された小川。香港代表戦でデビューするといきなりハットトリックの活躍を見せたが、その後は日本代表に呼ばれることは一度もないまま4年が経過した。
久々の日本代表招集となった小川は「素直に嬉しい気持ちですけど、ここからが勝負だと思います」とコメント。2022シーズンの明治安田生命J2リーグで得点王に輝く活躍を見せると、2023年夏にNECナイメヘンへと移籍。海外挑戦1年目で公式戦28試合12ゴールを記録している。
横浜FCから去る際には「次に日本に戻ってくるのは代表のユニフォームを着て」と語っていたが、有言実行。小川は「僕自身その言葉は鮮明に覚えていますし、皆さんにお約束して横浜FCから旅立ったわけですけど、それを有言実行してここに帰ってこれたことは僕自身にも自信になりますし、応援してくれている皆さんにも口だけじゃないというのを少なからず見せられたと思います。ここがゴールではないですし、ここからだと思います」と、約束を果たしたものの、もっと上を目指していくとした。
ゴールへの並々ならぬ意欲を見せる小川。「僕のゴールでW杯出場を掴み取れればと思います」と語った中、北朝鮮戦でも良さを出していきたいとした。
「しっかりと自分たちの色を出して、相手も球際に強くくる国ですし、それに負けないぐらい、上回るぐらいの球際の強さ、闘志を日本がしっかりと見せられれば、僕たちは上回ることができると思いますし、勝てると思います」
オランダでもゴールを量産できている要因については『僕自身はあまり海外挑戦1年目に苦しんだという選手や記事を見ていますけど、違う国に行って、自分のストロングのポイントを出せれば取りやすいと思っています」と語り、「最初はチームのコンセプトを理解するのに少し時間が掛かったところはありますけど、得点という自分の1番のストロングは出せていたと思います。チームが最近僕をよく見てくれるようになったことが大きいです」と、結果を残すことでより自分にボールが集まるようになったことが、ゴール量産につながったとした。
そして日本代表に復帰。「もちろん得点を取る以外にもチームの監督は求めて来ます。その中でも自分のストロングは得点を取るところというのを、コーチや森保さんにも見せたいというところで自主練習も怠って来なかったので、それが12得点にも繋がっていると思います」と語り、結果を残しての代表復帰という描いた道をしっかり歩んでいる。
アジアカップも見ていたという小川。「アジアのレベルが上がっているなと思いましたし、普通に力負けしている部分もあったと思います。その中で、自分が入った時にどうなるかをイメージして見ていました」とコメント。具体的には「僕だったこういうプレーができる、こういう打開策がある、ポストプレーだったり、色々なプレーでチームを助けられるなと思って見ていました」と、イメージは十分なようだ。
そして日本に少ないパターンである空中戦はアジアの他国が武器としている。ただ、小川はその穴を埋められる存在に。「僕の得点パターンを見てもらえればわかると思いますが、クロスからのゴールは非常に多彩なものがあって、ヘディングでもタイミングよく駆け引きしてでも、色々なパターンでクロスから得点できます。それは日本の力になれると思います」とコメント。「セットプレーからも僕自身は得点をとっているので、最終予選、2次予選はセットプレーも大事になるので、そういった意味でも力になれると思います」と、日本に足りないピースが自分であると語った。
日本のストライカー陣では異質な存在。小川が覚醒すればエースの地位も当然掴める状況だ。「色々なタイプのFWがいますけど、僕は唯一無二だと思っていますし、自分の色を出してチームと勝利に貢献できる、特に得点でチームに貢献できるFWになりたいと思います」と語り、「僕は得点を取ることが一番大事だと思っています。監督は色々要求してくると思いますが、そこだけは忘れないで、そこだけを求めると言っても過言ではないぐらい、思いは強いです」と、チームのコンセプトや求められるものはあっても、ゴールを目指すことだけは忘れないと強く語った。
同じリーグでプレーし、現体制の日本代表で最もゴールを決めているのはFW上田綺世(フェイエノールト)だが、小川は「タイプはもちろん違います。ただ、ライバル的なポジションではありますけど、僕自身は彼から学ぶものが多くて、彼の動きを常に見て学んでいます」とコメント。「僕が持っていて彼が持っていないものがあるので、彼の良いものを盗んで、切磋琢磨して成長していければと思います」と、共にレベルアップができればと語った。ただ「理想は僕がストライカーになることです」と、負ける気はさらさらない。そのポジションをゴールでしっかりと掴んでくれれば、日本も安泰だろう。
【動画】出し手との呼吸もぴったり!小川航基が見事なヘディング弾