スタッド・ランスのMF伊東純也が3戦目でのジャパンツアー初勝利に安堵した。
11日間で4試合を戦う過酷なジャパンツアー中のランスはジュビロ磐田、清水エスパルスとの連戦を1分け1敗の未勝利。とりわけ、清水戦ではJ2のチーム相手に0-3の大敗を喫した。
その敗戦からのバウンスバックを図るリーグ・アンの古豪は、7月31日に町田GIONスタジアムで行われた『MACHIDA City Cup 2024(町田シティカップ2024)』のFC町田ゼルビア戦に臨み、2-0の勝利を収めた。
今シーズンのJ1リーグ首位チーム相手に突破口を開いたのは“ランスの稲妻”だった。
29分、自陣中央でのボール奪取からハーフウェイライン付近の右サイドでボールを受けた伊東はDF杉岡大暉とうまく入れ替わると、引き倒して止めようとした相手を強靭なフィジカルで振り切ると、そのままドリブルでボックス付近まで運んでクロスを供給。相手DFにディフレクトする形でゴール前に向かったボールをFWウマル・ディアキテが冷静にワンタッチで合わせ、先制に成功した。
以降も右サイドで質的優位をもたらし、攻撃の起点を担った背番号7は鋭い縦への仕掛けやカットインからのシュートでチャンスに関与。また、快足を活かした前線からのチェイシングでも際どいシーンを作り出し、69分の交代までピッチを縦横無尽に駆け回ってスタンドを沸かせた。
そのランスのエースは試合後、「ちょっと暑さにも慣れて、中3日ということもあったので、ここ2試合よりかは動けたかなというのはあります。まあ1勝できてよかったです」と、3戦目にしてのジャパンツアー初勝利に安堵の様子を見せた。
さらに、「特にトレーニングを増やしているわけではないですが、ああいうところで負けないところが自分の強み。ああいうところで突破してクロスまで持って行くというところは自分の特長だと思うので、それを出せてよかった」とアシスト場面を筆頭に、ここ3試合で最もらしい姿を披露した一戦でのパフォーマンスに満足感を示した。
町田の印象については「やっぱり球際や攻守の切り替えは速かった」と語った一方、「ロングボールを使ってくることはわかっていましたが、そういう部分ではウチのセンターバックはそれが得意なので、うまく処理できていたと思います」と、チームスタイル的に相性がよかったことが勝利に繋がった一因だったと感じている。
また、町田で気になった選手という質問に対しては「10番の選手が巧かった。体の使い方とか、何度か突破された部分もあったので、一番脅威になっていたかなと思います」と、前半は左サイドを起点にチャンスに絡んでいた韓国代表MFナ・サンホの名前を挙げている。
これで来日初勝利を挙げたランスは、8月3日にヴィッセル神戸との日本最終戦を戦った後、8月中旬の新シーズン開幕を迎える。
その新シーズンに向けて伊東は「去年は最初の方はよかったですけど、最後の方に失速してしまってヨーロッパ(出場)圏内から落ちてしまったので、今年は最低限そこは達成したい」と、ヨーロッパ出場権を目標に掲げた。
その目標達成を達成する上で「自分がもっと得点を取れていれば、そこに行けたと思っているので、もっと得点とかの部分にこだわっていきたい」と、31試合3ゴール7アシストを記録した昨季以上の数字面での貢献を誓った。