★「我々らしさを取り戻す」原点回帰で鹿島撃破狙う東京Vの城福監督「開幕戦から様変わりした様子を見せなければいけない」

東京ヴェルディの城福浩監督が、22日に県立カシマサッカースタジアムで行われる明治安田J1リーグ第2節の鹿島アントラーズ戦に向けた会見を実施した。

城福体制4年目で“超野心的”な目標を掲げて新シーズンに臨んだ東京Vだが、16日に国立競技場で行われた清水エスパルスとの開幕戦では0-1の敗戦。

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東京ヴェルディの城福浩監督が、22日に県立カシマサッカースタジアムで行われる明治安田J1リーグ第2節の鹿島アントラーズ戦に向けた会見を実施した。

城福体制4年目で“超野心的”な目標を掲げて新シーズンに臨んだ東京Vだが、16日に国立競技場で行われた清水エスパルスとの開幕戦では0-1の敗戦。

「局面の戦いを含めて清水さんのストーリーのなかでゲームをやってしまった」、「僕の準備の至らなさ」と試合後の会見で指揮官は、ホームゲームでの不甲斐ない戦いぶりに憤りとともにファン・サポーターへの申し訳なさを滲ませた。

選手たちも口々に反省の言葉を語った開幕戦のパフォーマンスを受け、今週のトレーニングではチーム全体にピリッとした空気が漂っていた。

城福監督は20日にクラブハウスで行われた会見の場で、改めて清水戦の反省を語るとともに、鹿島戦へのアプローチについて言及した。

「我々が大事にしているベースになる気持ちの部分、ハードワークの部分。もうひとつは戦術的な部分のところは切り分けて伝えました」と清水戦後のミーティングについて明かした指揮官。

そのなかで城福監督が「一番大きな問題」と指摘したのは、敗戦という結果以上に自分たちが志向するスタイルの“一端”も披露できなかった点。

「おそらく(開幕戦を)見ている方が、『ヴェルディってこんなだったっけ』と、おそらくそういう印象を持たれたのではないかなと。『ヴェルディはもっと尖ったものがあったはずだった』と、抽象的に感覚的に言えば、そういう感覚を持たれてもしょうがないような試合をしてしまった」

「それが何なのかというのはもちろん、攻守においてサッカーの側面からもメンタルの側面からもアプローチはしましたけど、ヴェルディが去年のJ1で周りの期待、予想をいい意味で裏切れたのか。それがどういうことなのかというのが、見ている方が漠然とでも感じられたものが、この前の開幕戦では感じさせることができなかった。それが一番大きな問題でした」

「人間なので『この舞台が当たり前と思うな』と言われても、あるいは『5万人の観衆の中でプレーするのを人生で何回できるのか』というふうに言われたとしても、やっぱり去年の開幕の頃の、『この舞台を絶対に逃してはいけない』という思いと比べれば、(今回の開幕戦でより)思いが濃かったと言えないのは事実で、その思いをもう一度取り戻すためには、そういう思いを内に秘めている選手を起用していくということもそうですし、出ていた選手が我々のいろんな面でのベースをもう一度思い出させるということ。その両方のアプローチが必要かなと考えています」

その反省を踏まえた上で鹿島戦に向けては「我々らしさをまず取り戻すこと」と、「ヴェルディの試合は心を打つ」とも評された愚直さやアグレッシブさ、最後まで諦めない姿勢。個のタレントの質や選手層で上回る相手に渡り合うために、突き詰めてきたコレクティブ且つリスクを負うプレースタイルの部分を改めて徹底することをチーム全体で確認した。

「去年からやってきたこと。今年のプレシーズンでやってきたことのルートを逸脱することなく、ただ何に尖っていたのかと。我々が我々のような経験値で、我々のような規模のクラブが丸くなったら勝負できない。何に尖ってきたのかというのを、もう一度みんなで認識すること。尖れば必ずリスクがある。我々は何のリスクを背負ってやっているのかと。そこを含めてみんなで強い共通意識を持って、今週は準備しています」

より戦術的な部分では「何のリスクを背負ってやっているのか」との前述の発言と関連する形で、チームが強みと特徴としているMF森田晃樹、MF齋藤功佑ら攻撃的なボランチ2枚を軸に“へそ”と形容する、中盤を使ったビルドアップ、攻撃の組み立ての改善をテーマに掲げた。

「4バックの相手との対戦では相手が4バックで守る。そこでの我々の立ち位置というのはアンマッチになるはずですけど、本当にいやな位置に立ち続けたか。安易にボールが受けやすいところに引いてきてないかとか、本当の一番深いところの一番いやなところで、我々はよく『制限のあるなかで自由を勝ち取れ』と言っていますが、自由に受けやすいのであれば、どんどん引いてくればいいですけど、それは何にも怖くない」

「だから、ここにいられたらいやだなというエリアの中でもっともがいてくれと。そこは新しい選手も入って、既存選手もまだまだ易きに流れているというか、ポジションの取り直しであったり、動き直しであったりはもっとやらなければいけない」

「“へそ”はどこのチームも抑えにくる。今までの“へそ”の受け方でボールが受けられるかというと、受けさせてくれないのはこの前の試合でよくわかったと思いますし、まだまだ改善の余地あり。ただ中間ポジションに立っていればボールが入ってくると思ったらそれは大間違いで、そこにも2秒、3秒前の工夫がいる。ボールホルダーがどういうボールを持ち方をするかというのもすごく大事なので、センターバックのボールの持ち方ひとつ、コントロールが一つ目、二つ目をどの方向で持っているかというのも、これはもうみんなで共有しました」

「我々が何のリスクを背負ってこのメンバーを選んでるかを考えたら、このボールの持ち方ひとつで全部飛んじゃうでしょと。蹴るしかないようなボールの持ち方をして、我々は何のリスクを背負ってやっているんだというようなことは確認しました」

加えて、「ビルドアップというのはキーパーからスタートするのが全てではない」と語り、「勝負どころはスクランブルで奪った瞬間からのビルドアップ。我々はもっと厳しいところにボールを入れてスクランブルになって、そこで奪い返すようなシーンをもっと作らなければいけない」と、トランジションの強度・精度を同時に求めている。

まずは自分たちにベクトルを向けることを最優先とした城福監督だが、川崎フロンターレで多くのタイトルを獲得してきた名将・鬼木達監督を新指揮官に迎えた鹿島について「去年からバージョンアップしているのは間違いない」と警戒。

昨季はアウェイで0-3から3-3のドローに持ち込み、ホームでの前回対戦では2-1の勝利を収めているものの、湘南ベルマーレとの開幕戦に敗れてホーム開幕戦で新体制初勝利を狙う難敵相手に厳しい戦いを覚悟している。

「もちろん先制点を奪いたいですし、劇的な試合というよりは、しっかり守って追加点を奪って、試合が終えられるような展開になるのが一番いい。ただ、鹿島さんも必死でくるでしょうし、個人の力とチーム力、クラブ力からしたら、アウェイの地でそんなに簡単な試合にはならない」

「それでも、我々が何を大事にしていて、何を追求しているかということが全く伝えられなかった開幕戦からは様変わりした様子を見せなければいけない。もちろん結果が一番大事ですが、その姿勢をまず見せることで、最終的に結果に対する全責任は自分にあるというふうに思っています」

2025年2月21日(金)20:46

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