★東京Vの城福監督、上位につける新生・川崎Fを警戒「よりゴールに向かってくる意識が強まっている」
東京ヴェルディの城福浩監督が、20日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われる明治安田J1リーグ第11節の川崎フロンターレ戦に向けた会見を実施した。
J1リーグでは2勝4分け4敗の16位に低迷する東京Vだが、16日にアウェイで行われたYBCルヴァンカップ2回戦のブラウブリッツ秋田戦では延長戦までもつれ込む激闘を2-1で逆転勝利。
東京ヴェルディの城福浩監督が、20日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われる明治安田J1リーグ第11節の川崎フロンターレ戦に向けた会見を実施した。
J1リーグでは2勝4分け4敗の16位に低迷する東京Vだが、16日にアウェイで行われたYBCルヴァンカップ2回戦のブラウブリッツ秋田戦では延長戦までもつれ込む激闘を2-1で逆転勝利。3回戦進出とともにリーグ6戦ぶりの敗戦を喫したヴィッセル神戸戦からバウンスバックに成功した。
負傷明けのDF千田海人や今季の公式戦初先発となる4選手の起用など、課題の選手層の底上げも意識して戦った秋田戦について指揮官は、主力の早い時間帯での投入を含め思うような展開にならなかったことを認めながらも、一定の手応えを得たという。
「もちろんルヴァンでしっかりと結果を出してというか、パフォーマンスを示した選手がJリーグに関わって絡んでいくというサイクルにしたいと思っていました。新たに入ってきたメンバーとできるだけ長い時間やらせてあげたかったですけれども、我々の思うような展開にはならなかった」
「それでも、しっかりと長い時間戦えた選手には一定の手応えがありますし、そこで最後に結果を手繰り寄せられたので、精神的な自信も含めてうまくリーグ戦に繋げていきたい。逆に、ルヴァンで悔しい思いをした選手もいると思うので、そこはリバウンドメンタリティを期待したいなと思います」
その秋田戦ではMF平川怜とMF福田湧矢の途中出場2選手がそれぞれゲームコントロール、加入後初ゴールという形で勝利に貢献。今季加入の新戦力のなかで存在感を増してきている。
城福監督は平川に関してロアッソ熊本時代から評価するスキル、FC東京のアカデミー出身者としてライバルクラブに加入した覚悟に加えて、現在の中盤にかける特徴という部分でそのプレーを評価している。
「我々は真ん中の部分(ボランチやシャドー)がちょっと軽量級。軽量級でも走ることでカバーできればいいというふうに思っていますけど、彼はこれまでのボランチとかシャドーに比べれば重量感がある。この重量感はすごく大事で、彼のルーズボールの強さというのは、スキルに加えてすごくこのチームにとってプラスの影響を与えている。もちろん他のボランチのメンバーに比べても高さがありますし、我々が少しチーム全体でカバーしなければいけないなというようなポイントを、彼が備えてくれている部分があるのは心強いです」
福田はガンバ大阪時代からの既往歴や東京V加入後の複数回のアクシデントで脳震とうのリスクを抱えながらも、攻守両面におけるアグレッシブなプレーで存在感を示す。
引き続きクラブとして慎重に対応しながらも、より守備面で競り合いの重要性が高いウイングバックでの起用に関しても「攻撃バージョンになったときに、ウイングバックとして攻守においてプレーするということは、いざ試合になれば、そういうふうにやってくれるという信頼感はあります」と信頼してピッチに送り出している。
その上で「彼は本当にボールを奪いに、足に当てに行く。それこそがこのチームにとって何に尖っているとか、何にこだわりたいのかという部分で、それを具現化してくれる。ウイングバックであろうと、シャドーであろうとも彼の良さというのは攻撃的なところで出してほしいですし、守備においてハンティングするところは、我々は彼が前線にいるときにすごく期待している」と、早くもチームが志向するスタイルを体現する選手の一人だと評価した。
一方、FW山見大登に関してはここまでのリーグ戦9試合で1ゴール2アシスト。得点力不足のチームにおいてアタッキングサードでのクオリティ、打開力という部分で最も信頼できる選手の一人だ。
ただ、秋田戦ではスタメン起用となった一方、直近のリーグ戦2試合ではいずれもベンチスタート。前線の選手層や攻撃面でギアを上げられる交代選手が少ないチーム事情によって、あえて手元に置いておきたいという考えも想定される。
「ゲームチェンジャーとしての能力に関して、彼はすごく特徴的なものを持っているので、足元でちょっとオープンになったときに間で受けることもできれば、さらに相手の背後を取ることもできるし一振りもある。スペースができたときの彼のスピード感と、一振りの力のところは大きく期待しているところです」
起用法に関して指揮官は明確に肯定も否定もしなかったが、タイプが異なるもののFW山田剛綺をひとつの例に挙げ、スタートからプレーする選手として伸びしろがあると、山見のさらなる成長を促している。
「これは彼だけではないですけど、先発で出た選手に関してはボールの移動中にどういうアクションを起こすか、空中にあるボールとか誰のボールでもないときにアクションを起こすというを重要視している。すべてが効率的にはならないし、それが徒労に終わることもあるわけで、なるべくオン・ザ・ボールになったときのエネルギーを貯めておきたいと」
「そういうスタートをチームが切ったら、このチームにとっていいことは今まで一回もない。そこの効率性を意識しないで持てるものを、本当に隙なくというか、そのチャンスを逃すことなく、攻守において発揮することができれば、ゲームチェンジャーとしてだけじゃないことも十分にあり得ますし、その能力を持っている」
「よりそれを我々らしくやる。そのトリガーとなってくれる選手を使いたい。各々の特徴は違うんですけれども、このチームの尖ったものを見せるという、その状況はみんなわかっていると思うんですけども、誰がトリガーとなるのか、誰が最初のスタートを切るのかというところの先頭になるぐらいのつもりでやってくれれば、十分に先発があると思います」
リーグ5試合ぶりの白星を目指すリーグ次節は、4試合未勝利且つ直近の神戸戦では今季2敗目を喫したものの、長谷部茂利新監督の下で3位に位置する川崎Fと対戦。
東京V就任1年目となった天皇杯で1-0の勝利を収めたものの、昨季の2度の対戦では0-0、4-5で1分け1敗に終わった難敵との一戦に向けて指揮官は、「個のレベルの高さであったり、選手層というところは、Jリーグの中でも当たり前ですけどトップトップの印象」と川崎Fを警戒。
「これまでよりもポゼッションを意識するというよりは、よりゴールに向かってくる意識の方が強まっているかなと。個のレベルが高いので、よりゴールに向かうということは、よりボールを失う確率も高いですけども、そこが川崎の選手の特長を消さないなかで、より相手ゴールに向かっていくというところのシーンが多くなってきている」
「ここは警戒しなければいけないですし、これが過密日程であればあるほど、特に前線の選手というのは、1つのポジションに(実力が拮抗している選手が)2人確実にいるような形になるので、ゲーム勘とかゲーム体力をしっかり維持しながら、チーム力を維持している」
負傷者の多さやAFCチャンピオンズリーグエリートを来週に控えるなか、過密日程を強いられる状況にあっても、敵地から勝ち点3を持ち帰るには、失いつつある尖ったものを取り戻し、全力を尽くす必要があると語った。
2025年4月19日(土)17:00